米USAトゥデイ紙が、先月30日に東京オリンピック(五輪)の競泳男子200メートル個人メドレー決勝後にノーマスクで取材に応じたマイケル・アンドリュー(22=米国)を、「傲慢なワクチン未接種者」と批判するコラムを掲載した。

ミックスゾーンでの取材でマスク着用を拒否したアンドリューは、開幕前のインタビューで「どう反応するのか分からないものを体に入れたくない」と副反応のリスクを恐れてワクチン接種をせずに大会に臨むことを公表していた。ワクチン未接種であるにも関わらずマスク着用を拒否したことに対し、同紙は五輪選手は国を代表する存在であり、自分の好き嫌いにかかわらず生活が変わり、責任を伴う立場になると指摘し、「(マスク拒否は)大きな過ちだ」と批判した。

非常事態宣言下にある東京で行われている五輪は、母国にいた時とは状況が違うことを認識しているべきだったとし、マスクを着用しない理由を記者から尋ねられた時に自分の過ちに気がつき、マスクを手にとり、すぐそれを身に着けるべきだったが、「彼はそんなやつではない」と意識の低さを指摘。「水中で体を酷使にした後、息を吸うのが苦しい」と理由を語ったことについて、翻訳すると「他の人のことやパンデミック、自分がワクチン未接種であるという事実についてどうでも良い」ということだと述べ、他のメダリストたちは全員マスクを着用して取材に応じていると明かした。

さらにアメリカオリンピック委員会(USOPC)の対応も批判しており、プレイブックに例え取材時にマスクを外すことを認めると書かれていようとも選手自身とホスト国の人たち、そして選手と接するすべての人を守るために自国の選手たちにマスク着用を促すべきだと述べ、「USOPCは一人の傲慢なアメリカ人の利己主義に屈した」と痛烈に批判している。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)