歌手高橋真梨子(72)が、「生涯最後」と位置づける全国ツアー「our Days-Last date-」を来年1月27日の東京・立川公演からスタートさせることが15日、分かった。当初は昨年6月からの予定だったがコロナ禍で延期に。約1年半の時をへて渾身(こんしん)の42公演を開催する。

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◆高橋真梨子のコメント 最後のコンサートツアーを発表してから早いもので2年もたってしまいました。こんな状況を誰も予想してなかったことだろうと思います。

そんな中、今日、来年1月からのツアー開催を気持ち新たに発表することになりました。このまま立ち止まることは私の本意ではありません。コンサートを楽しみにしてくださっているファンの皆様のためにもステージに立ちたい、と願っておりました。

ファンの皆様へ みなさんお元気でしたか? やっとこの日がきました。力の限り歌いたいと思います。感染対策も徹底します。無事皆様にお会いできますように。

このコロナ禍では免疫力を高めるために栄養価の高い食事を心がけ、家でストレッチ、状況がよいときは近所を散歩したり、ゴルフの打ちっぱなしにも行きました。少し体力がついたように思います。ワクチンも接種済みです。

最後にこのツアーを終えたらもう1度ニューヨークを訪れたいと思っています。ニューヨークは私にとって大事な心のふるさとなので…。3度のカーネギーホール公演の時は自分の体調管理のために遊ぶ余裕はありませんでした。

今度はJAZZクラブに行ったり、ブロードウェーで観劇したり、音を楽しみゆっくりと時間をかけた旅がしたいです。それが今の夢かな。

◆ヘンリー広瀬氏のコメント 1979年6月の「ひとりあるき」コンサートから始まり、40年間休みなしで突っ走ってきた全国コンサートツアーは、いよいよ最後になります。

今回の「our Days」ツアーではコンサートの原点に立ち返り、過度な演出を止め、ペドロ&カプリシャスの作品や、40年の中で皆様からのリクエストが多い作品などを中心に出来るだけ多くの楽曲をお届けしたいと思っています。

全国コンサートツアーは今回で最後になりますが、この先またステージに立つこともあると思うので、決して引退ではありません。高橋真梨子の歌に終わりはないので…。

そして今回ツアーに先立って発売する「The Best Live Collection」は、高橋真梨子のエポックメーキングになった海外コンサートや、国内周年記念ツアーをまとめてみました。作品でもぜひみなさんに楽しんでいただければと思います。

○…レコードデビューから49年のキャリアの中で、ファンの間で「伝説のライブ」と呼ばれる5公演(海外3、国内2)をブルーレイとCDにして12月1日に発売する。高橋にとってライブCDのリリースは初めて。ブルーレイ5作を1つにまとめた「BOX」と合わせて計11作品の全てで高音質リマスタリングとリオーサリング処理を施している。

★高橋すごいメモ

▼日本人唯一 「音楽の殿堂」と呼ばれる米カーネギーの大ホールで、日本人で唯一3回(93、08、16年)の公演を実施。複数回実施アーティストは高橋のみ。

▼主題歌25曲 オリジナルの307曲中、150以上の楽曲で作詞を手掛け、ドラマや映画の主題歌になったのは25曲。

▼紅白歌合戦で最年長記録 16年にソロとして4回目の出場。当時の67歳9カ月は紅組最年長記録。翌年も出場して自己記録を更新した(68歳9カ月)。

▼アルバムは3位 15年6月に発売したアルバム「ClaChic」が、オリコンの女性歌手年長記録の3位(66歳3カ月)。

▼高橋の公演回数 79年の初ソロコンサート「ひとりあるき」ツアーから19年の「Mari Covers」ツアーまで、毎年欠かさずに行ってきた全国ツアーは、一昨年までの41年間で2763回を重ねた。20年、21年はコロナの影響で中止に。来年は42公演を予定し、すべて合わせると2805回。これに単発のスペシャルライブ17本、299回のディナーショーを加えると計3121回になる。今年のディナーショーは6本を予定。これも合算した公演数は合計3127回。トータル動員数は720万人を超える。

◆高橋真梨子(たかはし・まりこ)本名・広瀬まり子。1949年(昭24)3月6日、広島県生まれ。プロのジャズ奏者だった父の影響で14歳からジャズを学んだ。72年にペドロ&カプリシャスの2代目ボーカルとなり、「ジョニィへの伝言」「五番街のマリーへ」などがヒット。78年にソロ転向。代表曲に「桃色吐息」「はがゆい唇」「for you…」など。NHK紅白歌合戦に5回出場。血液型A。