「第16回繁昌亭大賞」が23日、大阪市内で発表され、笑福亭たま(46)が大賞に選ばれた。たまは、98年に笑福亭福笑に入門。古典落語、新作落語に加えてコロナ禍での配信落語会を開催するなど、積極的なプロデュース力を評価されての受賞。「もっと早くくれてもよかったのに、とは思いますが(笑い)賞は運に左右されるもの。もらえる時にもろとかないと」と笑顔で話した。

文化庁が公募するコロナ禍での補助金企画に申請した落語会も評価された。

今回の選考を受け、上方落語協会の笑福亭仁智会長(69)は「マルチな活動で(天満天神)繁昌亭にお客さんを呼び、同時に自分の芸を高めたのは立派」とたたえた。

このねぎらいに、たまも「後輩たちも日々進化しているので、先輩からも後輩からも学んで、今後は繁昌亭だからこそ発信できる落語に取り組みたい」と言い、気を引き締めた。

奨励賞は、林家染左(50)と桂阿か枝(50)。阿か枝はこの日、仕事のため欠席。染左は「(受賞は)わたしでいいのかと驚いた。ありがたいです。自分ができることをこれからもコツコツとやっていきたい」と語った。

なお、たまは京都大、染左は大阪大、阿か枝は岡山大といずれも国立大出身。来年3月1日の繁昌亭夜席(午後6時30分開演)で、受賞記念落語会と表彰式が行われる。

◆繁昌亭大賞 入門25年以下の上方落語家が対象。天満天神繁昌亭(大阪市北区)が開設された翌年の07年に第1回が開催された。昨年の大賞は桂よね吉(50)。今年はメディア関係者ら10人による選考委員会で受賞者が決まった。