大手レコード会社ソニーミュージックと、TWICEなどが所属するJYPエンターテインメントが、共同でボーイズグループを誕生させるプロジェクト「Nizi Project Season2」が始動した。来日中の同プロジェクトの総合プロデューサーJ.Y.Park(50)が30日、日刊スポーツなどのインタビューに応じた。【佐藤勝亮】

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東京の桜が満開になる中、大スターが約2年半ぶりの来日した。「パーフェクトタイミング!」とはじけるスマイル。9人組ガールズグループ、NiziUが誕生したシーズン1で一躍時の人となった。

「僕が最後に日本に来たのがコロナ禍前(19年9月)だから、『Nizi Project』が有名になった後、初めて日本に来ました。一番違うところは、道を歩いていたらたくさんの方が僕に気付いて、笑顔であいさつしてくださって、本当にありがたいし、同時に不思議でした」

オーディションの地域予選は、19日の名古屋からスタートした。札幌、東京、沖縄など国内8都市、海外でニューヨーク、ソウルを含めた全11カ所で開催される。札幌滞在時には、現在NiziUがコラボし、ラベルにメンバーの顔がプリントされている炭酸飲料「ファンタ」を見て、NiziUの人気を実感したという。

「ファンタで一番(人気を)実感出来ました。私は思ってもみなかったんですけど、『何か飲みたいな』と思って頼んだところ、NiziUのメンバーの顔が入ったファンタが出てきてうれしかったです」

NiziUの人気を実感したところで、今度はその弟分を発掘しにきた。審査ポイントは、「ダンス」「ボーカル」「スター性」「人柄」の4ジャンル。エントリー人数は約1万だ。

「僕は実力がある人よりも、実力は全然なくても悪い癖がなくて、可能性が高い人がもっと好きです。テクニックは僕が教えたらいいから、可能性が僕に一番大切です。これまで(地域予選通過者を)4人選びました。実力は不安定でも、可能性、声、キャラクターを見ました。アイドルは実力も大切だけど、特にスター性が本当に大切だから。オーディションプロジェクトを始める時、いつも一番心配だったことは、優れた人材が現れないことです。でも、今まで(この日までの参加者)は本当によかったです」

シーズン1でも重要視した“スター性”。その基準は何なのか。

「僕は、僕たちみんなスターとして生まれたと思います。だから、自分自身の姿をもっともっと自然に自由に表現すること大切だと思います。ナチュラルに自分自身を表現する子を見たら、僕は本当に楽しみです。テクニックは僕が教えたらいいです」

NiziUとは違い、今度はボーイズグループを発掘する。しかし、審査ポイントに違いはないという。

「根本的には同じです。自然さ、元気で明るいキャラクター。でも男子のグループは、パワフルなパフォーマンスがもう少し大切だと思います」

エントリー部門には、「ボーカル部門」「ダンス部門」「モデル部門」「ラップ部門」に、新たに「作詞・作曲部門」が加わった。「世界のK-POPファンの方が、その部分を大事にしているからです」と説明。しかし、1人の参加者が全ての部門で輝ける力を持つ必要はない。足りない部分を、メンバーで補う。それがグループだ。

「全部できる必要はないです。何か1つ、特別にできる分野があるメンバーが集まれば、それがグループになるので、1人1個ずつ特別な長所があった方が良いと思います」

最初から「こういうグループを作る」と決めない。輝く原石を見つけ、その原石で結成されたグループに合う、最高のグループを作る。

「どんな参加者が選ばれるかによって、作るグループのイメージが決まります。先にイメージを決めないで、選ばれた参加者たちがもともと持っているイメージを生かしながら、それを自由に表現することが僕の目標。もう少し待ってみないとわからないです」

オーディション中に参加者に掛けた、愛ある言葉も注目を集めた。そこには2つ、大切なことがあるという。

「1つは愛情を持ってすること。もう1つは具体的に正確に指摘すること。愛情を持って接しているかは、聞く人がはっきり感じると思います。僕は参加者1人1人の人生が、本当に大切だと思います。合格した子、落ちた子でも、みんなにとって1つだけでもプラスになる話を言ってあげたいです。その子たちが僕たちの未来だから。僕が番組だからと思わないで、いつも通りにやっていたから、心が伝わったと思います。僕は、何かを夢見ている子どもたちが本当に愛らしいと思います。その子に実力があるかないかに関係なく、夢を見ていること自体が愛らしいです」

自身もアーティストとして、今秋に新曲をリリース予定。そこにはこんな思いもあった。

「もちろん、パフォーマンスすることが僕は本当に好きです。もう1つの理由は、アーティストたちに100回言うことより、僕が直接見せることがずっと効果的だと思うからです。一発屋になるのではなくて、長い期間、尊敬されるアーティストになって欲しいから。それを直接見せることが大切です。特にダンス歌手というのは、すぐに舞台から消えてしまうイメージがあまりにも強いので、『そうではないんだよ』っていうのを、子どもたちに見せてあげたいです」

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