今年デビュー40周年を迎えた歌手早見優(55)が、26年ぶりに主演を務めるミュージカル「mother」(7月13日開幕、脚本・演出=上條恒)に向けて、日刊スポーツにコメントを寄せた。20年前に夫に先立たれ、3人の娘を女手ひとつで育てるシングルマザーを演じる。

1996年(平8)の主演舞台「私のあしながおじさん」以来26年ぶりの主演作となることに、早見は「このたび、初めて3人の娘のシングルマザーの役を演じさせていただきます。26年ぶりに主役をつとめますが、心に残る作品になりますよう魂込めます!」と抱負を語った。

3人の子どもを育てながらケースワーカーとして、生活困窮者や障がいのある人たちを助ける仕事をする役柄。日本社会の縮図を見るようなアパートの一室を舞台にした、涙と笑いで包まれた「愛」の物語となる。

早見は「私自身がシングルマザーに育てられ、現在娘2人の母として、今回の役と重なる部分が多いです。どんなに大変なことでも愛する子どものためには親としてやり遂げる! 相談相手の夫やパートナーがいない淋しさもグッと我慢してやり遂げる! 熱い肝っ玉母ちゃんを演じます」と今回の役柄について説明する。

その上で「家族愛、人間愛が薄くなっている世の中だからこそ、熱い家族の物語を皆さんに届けたいです」と演技を通じて社会にメッセージを送る考えを示した。舞台はミュージカルカンパニー「三ツ星キッチン」が手掛け、同社ならではのハートフルな音楽に乗せて、新たな代表作とすることを目指す。ミュージカル「mother」は7月13~17日まで東京・中野のザ・ポケットで上演される。

◆三ツ星キッチン 「三ツ星キッチン」は、ミュージカルで知り合った、上條恒、KAZZ・伊藤俊彦の3人が意気投合し、ミュージカルカンパニー「KAZZCAF〓(アキュートアクセント付きE)&Co.Ito」を結成。既存のミュージカルに一石を投ずるべく「新しいスタイルのミュージカル」への模索を始めた。06年9月に旗揚げ公演「Ristorante」上演。その後も客演として「レ・ミゼラブル」「ミス・サイゴン」など、主にミュージカルを中心に活躍している俳優を集め、小劇場でのオリジナルミュージカル創作を目指してきた。09年本格的な活動を開始するため、劇団名を「三ツ星キッチン」と改名。脚本家・上條恒が描くハートフルなストーリー、ソングライター、KAZZのPOPなメロディー、それぞれの個性的な要素が一体となった、ミュージカルを展開している。