スタジオジブリ社長の鈴木敏夫プロデューサー(74)が28日、都内の寺田倉庫で行われた「金曜ロードショーとジブリ展」(29日~9月24日)開会セレモニー&プレス内覧会で、4月に15年ぶりに社長に再任された経緯について説明した。
スタジオジブリは4月4日、公式サイトで、星野康二社長兼会長が3月末で社長兼会長を退任していたことを発表。後任の社長に、4月から鈴木プロデューサーが就任したと発表していた。スタジオジブリが徳間書店から再独立した05年から08年2月に星野氏に引き継ぐまで社長を務めており、15年ぶりの再任だった。
星野氏は、6月の定時株主総会終結時をもってスタジオジブリの取締役を辞任し、ジブリを離れることも発表されていた。鈴木プロデューサーは「実を言うとジブリで一昨日、ちょうど株主総会をやっていた。いろいろな会社の方がいらっしゃるので、ご説明を致しました。本当は株主総会の席で星野が退任の予定だったが、3月で退任させてもらえないか? と要望があった。退任するためには株主総会が必要。じゃあ社長を辞めて、取締役は6月まで続けて欲しいと言って、本人も納得した」と、まず星野氏の退社の経緯を説明した。
その上で「(星野氏が)社長を辞めるということは、誰かがやらないといけない。有力な社員から『鈴木さん、社長をやってくれ』と言われ…バカなと。短い時間ならいいなと。おやじの遺言で、社長だけはなるなと…だから、自分は社長に、こだわらなかった。出来れば早く辞めたいから、星野さんに、いろいろ手伝っていただいた」と社長再登板の事情を語った。今後については「僕の今の考えとしては、なるたけ早めに新しい社長を見つけて、タッチするのが僕の考え」と、次に社長を託せる存在を探していく考えを示した。
鈴木プロデューサーをめぐっては、社長再登板前の3月に、タイ人女性カメラマンとの親密交際がスタジオジブリに混乱をもたらしているなどと一部芸能メディアで報じられた。質疑応答の中で「社長再任の前に、ご自身の身辺にまつわる問題で、会社がどうなんだ?という報道もあったが?」と質問が出たが「何か、嫌な話をしましたね」と言い、会場を笑わせたが、その件については言及しなかった。
質問が多数にのぼり、スタッフが1度は止めに入ろうとした一幕もあった。それでも、鈴木プロデューサーは宮崎駿監督(82)の10年ぶりの新作長編映画「君たちはどう生きるか」の公開を2週間後の7月14日に控えながら、情報を一切、開示しないことを踏まえ「せっかくね、ご質問がある限り、お答えします。いろいろ、いつもお世話になっているし今回、つらい思いをさせているんで」と、全ての質問に笑顔で対応していた。