もう、連勝しか見えない! 芸能界きってのバスケ通で知られるお笑いトリオのハナコ岡部大(34)が、バスケットボール男子W杯(沖縄・フィリピン・インドネシア)に出場中の日本代表「アカツキジャパン」にエールを送った。27日のフィンランド戦で劇的勝利を挙げた勢いそのまま、今日29日にオーストラリア(世界ランク3位)と激突する。先月末にYouTubeでバスケ専門チャンネル「ハナコ岡部のオカBB」を開設した岡部が、オーストラリア戦の勝利に向けて熱く語った。【高橋洋平】

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17年ぶりのW杯の勝利に酔いしれた。フィンランド撃破に、岡部は興奮が止まらなかった。「歴史的瞬間に立ち会えて『最高』以外の言葉が見つかりません。本当にバスケを好きでよかったと心から思えた日でした。試合後の選手たちの晴れやかな表情は一生忘れません」と熱く語った。

まるで予言だった。岡部は大会前の日刊スポーツのインタビューで、河村勇輝(22=横浜BC)と富永啓生(22=米ネブラスカ大)の若手ガードコンビの大爆発に期待していた。「河村選手のパスから富永選手が気持ちよく3ポイントシュートを打っている。いい感じで相性もよさそう」と2人のプレーぶりを見て、自信が確信に変わっていた。「強化試合などを見ていても、若手おふたりの勢い、エナジーをとても感じましたし、絶対にやってくれると信じていました」と力を込めた。

2人は勝負どころでの3点ポイントを連発して劇的勝利を演出。河村は25点、富永は17点と大爆発した。ただ、富永の来季NBA入りを熱望する岡部からすれば、求めるレベルはもっと上だった。「大会期間を通して現在進行形で成長されていると思います。まだまだ、もっともっと化けていってほしいです」とさらなる飛躍に期待した。

世界ランク36位の日本は、同3位の強豪オーストラリアにどう立ち向かうべきなのか。岡部はあえて特定のキーマンの名前を挙げず「全員です」とチーム全体を鼓舞した。「オーストリア戦は正直厳しい戦いだと思います。その壁を乗り越えるためには、フィンランド戦のように、一試合の中で、何人もヒーローが生まれるような展開が必要だと思います」と分析した。

岡部は自身のYouTubeチャンネル「ハナコ岡部のオカBB」で司令塔・富樫勇樹(30=千葉J)とNBAプレーヤーの渡辺雄太(28=サンズ)と共演している。ドイツ戦、フィンランド戦ともに0得点で波に乗れてない富樫に対し「日本の司令塔として絶対やってくれる。YouTubeでは、残り時間が少ない時にパスを出されても仲間も困るだろうと言ってたんで、勝敗が分かれる場面で、絶対にブザービーターを決めてくれる」と期待した。

オーストラリア側のキーマンには2人の名前を挙げた。「相手のミルズ(ホークス)、ギディー(サンダー)、2人のNBA選手の攻撃力がすさまじいので、しっかりとそこを全員で抑えること」。ディフェンスを固めることを大前提として、日本が得意とする長距離砲を外から決めて勝機を見いだす。チーム全体の3点シュート成功率はドイツ戦の17%から、フィンランド戦では39%まで上昇。試合ごとに数値を上げており、日本のお家芸でオーストラリアを射抜く。「フィンランド戦の富永選手、河村選手のような、3点ポイントシュートの爆発が不可欠だと思います」と期待した。

大会開幕前に岡部は真剣な目つきで日本バスケ界の未来について熱く語っていた。「『THE FIRST SLAM DUNK』も大ヒットして、W杯が自国開催で、さらに日本人のNBA選手が今2人(渡辺、八村塁=レイカーズ)もいる。本当にバスケットボールが盛り上がってきているので、何とかさらに加速させたい。日本バスケ史上、今が一番熱いので、見逃してほしくない」。オーストラリアに勝って、日本バスケ界の新たな扉を開く。

◆岡部大(おかべ・だい)1989年(平元)5月30日、秋田県生まれ。小4からバスケットボールを始め、秋田高3年時には、県のインターハイ予選準決勝で能代工に大敗し号泣。ポジションはポイントガード。早大スポーツ科学部に進学後も一般入部で競技を続けるが、けがにより1年で退部した。その後はお笑いに転向し、菊田竜大(36)、秋山寛貴(31)のコンビに合流する形で14年にハナコ結成。18年のキングオブコント優勝。9月8日から3日間、第7回単独公演「はじめての感情」を東京・草月ホールで5公演開催。173センチ。