成田凌(29)が主演、小芝風花(26)ヒロイン役を務めるカンテレ制作フジテレビ系連続ドラマ「転職の魔王様」(月曜午後10時)の最終回が25日に放送される。関西テレビの萩原崇プロデューサー(40)がこのほど、最終回の見どころやドラマを通じて伝えたかったことなどを全3回で語った。(第2回は24日午後7時、第3回は25日午前7時配信予定)
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第10話の最後、“最恐毒舌”キャリアアドバイザー来栖嵐(成田凌)の商社マン時代の同期・児玉雄一郎(小関裕太)が登場し、「俺と一緒にアフリカで働こう」と声をかけられるシーンで終わる。
「10話の最後に主人公の元同期という人物が現れます。10話で嵐が1回大阪に行って離れてしまうのかっていうのが、実は勘違いで、(嵐が千晴の)そばにいるよって言った直後にまた波乱を呼ぶ人物が現れて。最終回としては、主人公が今までずっといろんな人の転職を導いてきたので、今度は自分自身が転職をするのかどうか。主人公の転職話が1つの見どころですね。主人公が一番考えて最後に1つの答えを出すというところが、ドラマらしい最後の見どころになるかなと思っています」
また第10話、ヒロイン役の未谷千晴(ひつじたに・ちはる)が嵐に投げかけた「来栖さんがそばにいてくれないと嫌なんです」というセリフがSNS上で話題になった。嵐と千晴の恋愛的要素が描かれるのかも、注目が集まる。
「このドラマは『恋愛ドラマ』と打ち出しているわけではないので、そこを前面に出してるわけじゃないんですけど、やっぱり見どころとして、1話から本当にとんでもない出会い方というか、最悪な出会い方をしたように見える2人が、実はいろんな過去もあったりとかだんだん時間を重ねていく中で、最終的にどういう関係になっていくのか。というところが見どころだと思っている。そういった意味では、恋愛面の決着点も1つの見どころとしてはありますね」
第1話からの嵐と千晴の間で起こった積み重ねの集大成が最終回で描かれる。
「いきなりお互いが最終回近くで好きになったわけじゃなくて。嵐が千晴を思って言っていることとか、言われて響く千晴の気持ちみたいなことも、ずっと毎話かけて積んできたつもりではある。最初から恋愛感を意識する言葉では決してなかったとは思うんですけど、だんだんそばにいることのお互いの大切さみたいなところを感じていってくれる全11話になっていると思う。分かりやすく、恋心という意味の決着もちゃんと最終回はされます。賛否両論あるのも存じ上げてますし、『恋愛要素はいらないんだよ』という声ももちろん聞いたりもするんですが、自分自身やっぱり最終的に登場人物のどんな感情であれ、気持ちがどう深く結びついていくかというのが、ドラマのすごく大事なところと思っていて。そういった意味でこの2人の恋愛面を含めた気持ちの最終的な決着がどうつくかというのが、見どころかなと思っております」
全11話の中でさまざまな背景を持った求職者が現れた。ドラマを通じて伝えたかったことも明かした。
「転職を勧めたいわけでは決してないので、自分の人生の選択は自分でするっていうことが自分自身、原作から感じられた魅力でした。ドラマを通じてより、それがたくさんの人に自分で選択をするっていうことが、魅力に感じてもらえるといいなとは思っています。自分の人生が正解かどうかは結果的には自分でしか判断でつけられないものだって自分は思ったりします。この原作もそうだし、いろんな人と話をしているときに思ったことだったので、それがこのドラマで伝わればいいなって思いました」
キャリアアドバイザーとしてのスタンスを明確にしたセリフが第4話に登場する。
「嵐が4話で、仕事のスタンスとして千晴が『キャリアアドバイザーって、人の人生を変えられる仕事ですね』って言ったときに、嵐が『それは違います』って言って『人が自分で人生を選択して、自分が変えていくところに立ち会うだけの仕事なんだよ』と。そこのスタンスが、ドラマ全体のトーンとしてもあるというか。人生とはこうですとか転職しましょう、みたいに決して押しつけたくないなっていうのを最初からスタッフみんなで話していました。見てくれた人がそう感じるきっかけに、このドラマがなればいいなと思って。ある種ちょっと上品というか、おしとやかなスタンス感は嵐の生き方というか、人との関わり方にも言葉もきついし、どぎついこといっぱい言うんですけど、でも実はすごく愛情深くて、その人にちゃんと決断を委ねているっていうのを表している感じで、すごい好きなところかなって思っていますね」
◆萩原崇(はぎはら・たかし)1983年(昭58)1月19日生まれ、山梨・北杜市出身。立命館大卒業後の05年に関西テレビ入社。14年からドラマ制作に携わり、「シグナル 長期未解決事件捜査班」(18年4月期)、「彼女はキレイだった」(21年7月期)「合理的にあり得ない~探偵・上水流涼子の解明~」(23年4月期)などを手がけた。
◆転職の魔王様 同局系初主演の成田が演じる“最恐毒舌”キャリアアドバイザー来栖嵐は、左足が不自由でつえを突いている。求職者の心をへし折るような毒舌を放つため「転職の魔王様」という異名を持つ。仕事や生き方への悩みを痛烈な言葉で一刀両断しながらも、働く自信と希望を取り戻させる“転職”爽快エンターテインメント。小芝はヒロイン役の未谷千晴を演じる。成田と小芝とは初共演となる。原作は額賀澪氏の同名小説。