松竹新喜劇で活躍した千草英子(ちぐさ・ひでこ=本名・梶本英子=かじもと・ひでこ)さんが12日午後0時58分、老衰のため亡くなった。松竹が13日、発表した。93歳だった。

千草さんは47年に千葉蝶劇団に入団。その後、女剣劇一座や、鈴木澄子一座などを経て、59年に曽我廼家十吾主宰の松竹家庭劇に入団。劇団解散後は、長谷川一夫さん、山田五十鈴さんらの舞台に出演して芸を磨いた。

91年に新生松竹新喜劇の旗揚げに参加。ユーモラスで味わい深さも兼ねた演技に定評があり、劇団に欠かせぬ俳優となった。

代表作は「色気噺お伊勢帰り」の遊女お鹿、「鼓」の此花家梅太郎など、多数がある。

13年11月に大阪松竹座で行われた松竹新喜劇創立65周年記念公演「お祭り提灯」で、上総屋女房おきみを演じた。

また、最後の舞台になったのは、外部公演で、14年1月、大阪・新歌舞伎座での中村美律子新春特別公演。「夫婦うどん」で清太郎の母おはまにふんした。

通夜は15日午後6時から、告別式は16日午前10時から、大阪市北区長柄西1丁目7番13号「大阪市立北斎場・中式場」で行われる。喪主は次女の西真弓さん。