両親に向精神薬を服用させ自殺を手助けしたとして、自殺ほう助の罪で起訴された歌舞伎俳優市川猿之助(本名喜熨斗(きのし)孝彦)被告(47)の初公判が20日、東京地裁で行われた。起訴内容を認め両親を死なせた後悔と反省を述べると同時に、歌舞伎に復帰したい意志を示した。検察側は懲役3年を求刑。判決は11月17日に言い渡される。

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◆元東京地検特捜部副部長・若狭勝弁護士 第1回で結審までいったのが特徴的。もう1回、期日を設けて、被告人質問などをするのが通常的。被告人の弁護人から今日で終わらせてくださいと、いうようなことを強く申し出たことがうかがえる。裁判をやるたびに大きく取り上げられる。今後、復活を考えているのであれば、そのたびにマイナスイメージになる。だから裁判の数を減らしたいと。あと、なるべく早く復帰したいという思いもうかがえる。裁判官から聞かれて職業を述べる際も、「歌舞伎俳優」と答えた。それも「元歌舞伎俳優」とかじゃなく「無職」でもない。明確に「歌舞伎俳優」と言っているということは復帰を強く考えていることがうかがえる。懲役3年の求刑は想定通り。判決では執行猶予が付くのではないか。