22日に90歳を迎えた草笛光子(90)が、映画「九十歳。何がめでたい」(前田哲監督、来年6月21日公開)に主演することが24日、分かった。来月5日に100歳になる作家佐藤愛子さん(99)のベストセラーを映画化。90歳の現役女優と100歳の現役作家による“めでたい”タッグとなった。

日々の暮らしや世の中への怒りなどを歯に衣(きぬ)着せぬ物言いでつづった同名エッセーが原作で、草笛は佐藤さん本人を演じる。作家を引退し鬱々(うつうつ)としていたところにエッセー執筆の依頼が舞い込み、ヤケクソで始めた連載が意図せず大反響。90歳にして人生が大きく変わっていく。

クランクインと同じくして90歳を迎えた草笛は「あっという間に90という数字が目の前にやってきました」と笑顔。撮影現場で行われた誕生日セレモニーで共演者やスタッフから祝われ、「毎日、老いと闘っていますが、90歳と闘ったら損。闘わないように受け入れて90歳を大事に生きてみようと思います。90歳は初めてで最後、大事な一年を大事に生きます」とゆったりと意気込んだ。

レジェンド作家役のオファーには「まさか!とんでもないことになりました!」と驚き、「佐藤愛子先生の物事を明快におっしゃる作品はとても気持ちが良いと思っていましたので、そのリズムを軸にして演じたいと思っています」と話した。

佐藤さんもコメントを寄せた。2人は50年前に対談しており「実に久しぶりに二度お目にかかりましたが、相変わらずおきれいで、私とはまるで違う。私はあんな上品じゃありませんからね」。また「この厄介な私を演じるなんて、大変だなァ、気の毒だなァと同情申し上げたい気持ちでいっぱいです」とユーモアたっぷりに記した。