タレントで国際薬膳師の麻木久仁子(60)が10月31日、東京・千代田区の一橋講堂で行われた「放送大学創立40周年記念式典・記念シンポジウム」に出席した。

文部科学省・総務省所管の通信制大学、放送大学が4月に創立40周年を迎えた。この日の記念式典では、岩永雅也学長があいさつし、来賓の青山周平文部科学副大臣、渡辺孝一総務副大臣から祝辞が述べられた。高橋道和理事長から放送大学の40年の歩みなどが紹介され、放送大学40周年記念映像「見えない友と共にまなぶ」が放映された。「記念シンポジウム」は「チャレンジ!放送大学-ひとりひとりに最適な学びをめざして-」をテーマに開催した。

「記念シンポジウム」に出席した麻木は「私がいつもこういった場所で話をするときは歩きながら話すのですが、今日はおとなしく座ってしゃべります」と笑いを誘ったあと、芸能界でバリバリ働きながら病気ひとつしなかったにもかかわらず、50代を前にして脳梗塞と乳がんという2つの大病を患った経験を語った。

病気がきっかけで「ここできちんと50歳の折り返し地点から先の人生をちゃんと考えなきゃな」と思った麻木は“食”にまつわることに興味を持ち、東洋医学に基づいた国際薬膳師の資格を取ったことを説明した。

食に関する情報発信をするため還暦を迎えるタイミングでさらにしっかりと学びたいと思った時、放送大学は好きな科目だけを選択して受講できることを知り、今年4月に入学したことを紹介した。

麻木は前期の科目をすべて最高評価の“マルA”で履修し話題となっているが、前期の受講を振り返り「『今から私はこの先生に自分の知らないことを教えていただくんだ』と謙虚な気持ちになったときにものすごく新鮮だったのです。『こうべを垂れて学ばせていただく』という気持ちになることがこんなに人を若々しくさせるものかと感じました。『この歳になってからの“学び”は若いときとはぜんぜん違うのだな。メンタルの部分でも新鮮な影響があるのだな』と思いました」と放送大学に入学したことにより訪れた体験を述懐した。

さらに、子育ても仕事も一段落ついたという麻木は「心の豊かさや人生の豊かさを得るために、1週間のうち自分の時間の“ここ”と“ここ”を必ず(授業のために)使うことができることはぜいたくといいますか、自分に対するご褒美という感覚でした」とも言葉に。麻木は講義を「18歳の気持ちになって居住まいを正して受講しています」といい、「人間は学ぶ限り変われるのだと思いました」と目を輝かせた。11月12日に61歳の誕生日を迎えることについて麻木は「放送大学での学びを継続しつつ、学んだことをアウトプットしていきたい。食や健康の科目で学んだ事をレシピにしていきたいと考えています」と話した。

また、若いころ大学に入学したときは「学ぶことの楽しさみたいなものをぜんぜん感じませんでした」というものの、「若いころの大学生活が無駄だったのかというとそうでもないと思います。どんな形であっても学問の府みたいなところに身を置いた中で、“大学で学ぶことの意味”みたいなものが私の中に残っていました」と振り返った。