女優豊嶋花(16)が現在放送中の日本テレビ系連続ドラマ「君が死ぬまであと100日」(月曜深夜午前0時59分)のヒロイン役を熱演している。男女の淡い恋物語を多く描いてきた伝統の日テレ「シンドラ」枠。今回も胸キュンシーンで視聴者を悶えさせる“もだキュン”ドラマに仕上がっている。このほど、見どころや自身のキャリアについて語った。【松尾幸之介】

◇  ◇  ◇  

ドラマは余命が見える特殊な力を持つHiHi Jets高橋優斗(23)演じる主人公が、豊嶋演じる交際相手で幼なじみの女子高生、神崎うみの余命を悟り、伸ばす唯一の方法“彼女をときめかせること”に奔走するラブストーリー。命の尊さも加わる演技は「難しかった」といい「いい意味で笑えて泣けてと感情が揺さぶられると思います。私を応援してくださっている人からすると、はじけた感じとか新しい豊嶋花を見せられているんじゃないかな」と語った。

恋愛モノでは初のヒロイン抜てき。「プレッシャーもありつつも、この枠のヒロインにこの歳で選ばれることができてうれしかった」と喜び「私は恋愛ドラマをたくさん見たり、読んだり、もちろん経験もしたりしているわけじゃないので、まだ耐性がなくて…。キャーってなっちゃいます」と照れ笑いを浮かべた。

好きな“胸キュン”については「よくあるドS系王子様みたいな感じよりも、好きな人にとことん優しい、愛、思いやりがあるみたいなのがいいかな。(恋愛でも)そうかもしれないですね」と笑った。

主要キャストの中では唯一、役の設定年齢と実年齢が同じ。相手役の高橋も8学年上だ。「未成年が本当に私だけでした。でも高橋さんも同じ目線で話して、イジってくださったりとか現場を明るくしてくださっています。ボケたり突っ込んだりそんな感じです」。同じく共演のHiHi Jets井上瑞稀(23)とは好きな音楽の話で盛り上がったといい「みなさんとても優しいお兄さんお姉さんで楽しく過ごせています」と振り返った。

芸能活動は1歳から始めており、芸歴“ほぼ年齢”で活躍を続ける。キッズモデルなどを務めたのち、5歳から本格的に演技の道に進んだ。「最初はうちの両親も思い出作りの気持ちで入れたみたいですけど、楽しくなって私が『やめない』と言って続けてきました。友達もできたり、頑張ると周りに喜んでもらえるのがすごくうれしかったんです」。

家族らは今回のヒロイン決定も喜んでくれたといい、祖父母からはエレクトリック・アコースティックギター、両親からはヘッドホンをプレゼントされたという。「ギターにハマっていて、エレキギターも自分で買いました」。9月にあった高校の文化祭では4ピースバンドを組んで早速、椎名林檎の「丸の内サディスティック」を披露したという。昨年の文化祭では友人とダンスも披露したといい「友達がやろうよって誘ってくれるんです。バンドは好評で、先生や先輩とかからも『良かった』って声をかけてもらえてうれしいです」と笑顔をみせた。

すでに15年のキャリアを誇るが、仕事が嫌になることも「もちろんあった」という。「でもお芝居に関して嫌なことはなくて。だから心から好きなんだろうなって思いますし、思い通りにお芝居ができなかった時は悔しいですし。あとはお出かけしたり、適度な心の回復期間がないとやっていけないなと感じています」。

今春は学校の春休み期間を利用し、約3週間の米国での短期留学へ向かった。「一番お仕事を入れないといけない長期休みの時期で(事務所には)多大なるご迷惑をおかけしました。しかも太って帰ってくるっていう最悪の…(笑い)」と苦笑いしつつ「でも、自分の心がめちゃくちゃ成長したのを感じました。行って良かったです。性格も少しオープンになったと感じますし、初めての米国で違う文化に触れて、英語で会話もしたり、いろいろと対応力も上がったような気がします」。

以前は目標として、そんな米国での本家アカデミー賞受賞を掲げたこともあった。未知の大陸での経験も経て、今は逆に「もちろん行かせていただけたらそんなうれしいことはないですが、まずは日本アカデミー賞だと思います」と冷静に話す。「自分の演技を認めていただける場所ですし、自分の芝居で心を動かされたと認めてもらいたい。自信をつけて、堂々とレッドカーペットを歩けるようになりたいですね」。

初の渡米から約1年後の来年3月には、お世話になったベネズエラ出身のホストファミリーが訪日予定だという。「同い年の子がいて、日本好きで。たくさん案内できたらなと思っています。英語の勉強に力を入れているんですけど、(ベネズエラの公用語の)スペイン語も少し話して、驚かせようかなと思っています」。ちゃめっ気たっぷりに笑顔をみせた。“もだえる”日々も糧にしながら、豊嶋は進化を続けていく。

◆豊嶋花(とよしま・はな)2007年(平19)3月27日、東京都出身。1歳から芸能活動開始。NHK「いないいないばあっ!」などにレギュラー出演。幼少期から数多くのドラマ、映画に出演し、今年もNHK大河ドラマ「どうする家康」、フジ系ドラマ「ばらかもん」など。映画も「ちひろさん」が2月に公開。ギター、ダンス、絵、読書など趣味多数。身長158センチ。