映画評論家のミルクマン斉藤さんが2日午後1時12分、肝腎不全のため亡くなった。60歳だった。斉藤さんのフェイスブックで3日までに公表された。

「お知らせ 本日、令和6年1月2日午後1時12分、年末より入院加療しておりましたが肝腎不全により永眠いたしました。享年60歳です。映画と音楽と文学をこよなく愛し、大好きなお酒を手放さない人生でした」

葬儀は本人の希望により執り行わないが「後日お別れ会をしてほしいという、これまた本人の希望により開かせていただきます。その際にはこちらのFacebookよりアナウンスいたします」と説明。「また、お近くの方は明日と明後日の2日間、大阪市東淀川区下新庄の花豊会館にて最後のお別れができるように手配しておりますので、いつでもお越しください」とした。

ミルクマン斉藤さんは、ピンクのスーツと緑のシャツがトレードマークで、俳優や映画監督のインタビューを執筆し、配信、トークライブなども行っていた。6日には京都のグルビ・ショップ「三三屋」で月イチのトーク・ライヴ「ミルクマン斉藤のすごい映画めんどくさい映画」を開催予定だったが、三三屋は23年12月29日にXで「三三屋で開催予定でした、ミルクマン斉藤の映画イベントですが、諸般の事情により開催を延期いたします。再開は、決定し次第紹介いたします。どうぞよろしくお願いいたします」と延期を発表していた。

親交があった行定勲監督(55)は、Xに「まだ、信じられない。俺が映画祭やると決めた時も、一緒に盛り上げてくれた。映画祭の後は菊池に寄ってくれて、露天風呂で長湯しながらマニアックな映画の話、楽しかったです」と沈痛な思いをつづった。同監督は、14年から故郷の熊本県菊池市の菊池映画祭でディレクターを務め、2016年(平28)4月に熊本地震が発生すると、被災した故郷の復興のため、翌17年から菊池映画祭を前身として「くまもと復興映画祭」を開催しており、斉藤さんの協力を感謝した。「今年は真夜中な映画祭、復活させたかったのに…出来ないじゃないですか。ミルクマン斉藤さんのご冥福をお祈りします」と追悼のメッセージを送った。

劇作家で演出家、ミュージシャンのケラリーノ・サンドロヴィッチ(60)も、Xで「ミルクマン斉藤さんが本日亡くなったとのこと。かつて、あまり書いてくれる人のいない俺の映像仕事を評価し、積極的に書いてくれた稀有な方でした。体調が思わしくないとは伺っていたけど‥‥同い年かよ‥‥寂し。どうぞゆっくり。またお会いしましょう」と追悼のコメントを発表した。