第66回(23年度)ブルーリボン賞(主催・東京映画記者会=日刊スポーツなど在京スポーツ7紙の映画担当記者で構成)の授賞式が8日、東京・霞が関のイイノホールで行われた。コロナ禍以降、見送ってきた授賞式を4年ぶりに開催し、「愛にイナズマ」「せかいのおきく」などで、助演男優賞を受賞した佐藤浩市(63)が登壇した。

佐藤は「本年度、何度か登壇させていただく機会があった。それはいろんないい出会いがあったということ。それを作ってくださったさまざまな監督に感謝です」と語った。「あと少なくとも10年以上はやっていきたい。今までにない自分に出会ってみたいと思います」とさらなる意欲を燃やした。

「愛にイナズマ」などで監督賞を受賞し、先に壇上に上がっていた石井裕也監督(40)は、佐藤に「日本で一番の俳優ですよ。浩市さんと現場で映画の話をするのがすごく楽しくて、学びになりますし、最っ高に面白い。おめでとうございます」と賛辞を送った。

佐藤は81年に「青春の門」「マノン」で新人賞、02年には「KT」「うつつ」で主演男優賞を受賞しており、40年あまりで個人賞3冠を達成。没後10年を迎えた父の三國連太郎さんも、51年の新人賞を皮切りに60、89年と主演男優賞を2度、79年に助演男優賞と3冠を達成している。

司会の二宮和也(40)から「3冠を取ってるのはお父様と(佐藤)浩市さんだけ」と紹介されると、佐藤は「感慨深い。でも来年はもうそこにいなくてもいいや」とにやり。二宮は「いてもらった方がいいです」とツッコみつつ「ご一緒させていただいたドラマの現場で、(佐藤が)『愛にイナズマ、すごくいい作品だから』とずっと言い続けていた。本当に映画を愛している方」とほほ笑んだ。