落語家の春風亭小柳枝(しゅんぷうてい・こりゅうし、本名・臼井正春=うすい・まさはる)さんが、1月31日午前11時52分、老衰のため埼玉県内の病院で亡くなった。88歳だった。公益社団法人落語芸術協会が9日、発表した。葬儀は同日、近親者のみで執り行った。

小柳枝さんは、1936年(昭11)1月18日、東京都生まれ。サラリーマン生活を経て、65年5月に四代目春風亭柳好に入門し、76年に春風亭柳昇門下に移り、78年9月に真打昇進とともに九代目春風亭小柳枝を襲名した。91年と13年に文化庁芸術祭賞を受賞。95年6月に落語芸術協会理事、19年に相談役に就任した。「二番煎じ」「井戸の茶碗」「柳田格之進」「抜け雀」「文七元結」「妾馬」などが得意演目だった。

16年に脳梗塞で倒れた後もリハビリにつとめ、幾度となく寄席の高座をつとめてきたが、18年9月20日に東京・浅草演芸ホールでの「厩火事」が、寄席定席の最後の高座となった。

落語芸術協会は、公式サイトで「加齢もあり近年は高座の機会がありませんでした。1月31日は朝食を食べた後、穏やかな顔で眠るように亡くなられたとのことです」と報告した。