昨年末に「週刊文春」に性行為強要疑惑を報じられ、ダウンタウン松本人志(60)が同誌を発行する文藝春秋ほか1名を被告として起こした、約5・5億円の損害賠償請求等訴訟の第1回口頭弁論が28日、東京地裁で行われた。

松本は姿を見せず、双方の代理人弁護士が準備書面などを提出し、約5分弱で終了。松本側が、報道記事内で出た性行為を強要されたと訴えた「A子」「B子」の女性2人らの特定を要望していることなどが明らかとなった。

「映像業界における性加害・性暴力をなくす会」のメンバーとして性加害問題に取り組んできた映画カメラマンの早坂伸氏は、松本側による女性特定を要求について「性被害告発裁判によくある現象」とし、「『加害者』サイドが被害当事者の実名公表を求める。告発者にプレッシャーをかけ口封じを狙うもの。もちろん争点整理のためには必要なケースもあるが、法律に則った脅しの意味も否定できない」と私見を述べた。

また早坂氏は続くポストで、松本を擁護・支援するSNS上の声について、「松本擁護の人たちも心で応援したり、周りに話すのは構わないと思う。だけどSNSなどで公に応援することは、被害当事者を精神的に追い込んでしまう」と指摘。「それが狙いの人も一部いるから始末が悪いが、大部分の人は『なんとなく』書いてしまっていると思う。亡くなってからでは遅い。ポストする前にちょっと立ち止まって、『自分が被害当事者だったらどう感じるか』想像してほしい」と訴えた。