10月18日、古希となる大きな節目の誕生日を迎えた歌手郷ひろみ(70)。この日、ファンへの感謝を込めた新曲「ALL MY LOVE」を配信リリースし、同18、19日の2日間は日本武道館で計70曲を披露した。リリース当日となった18日の初披露では感極まり、大粒の涙を流した。今なおエンタメ界をけん引するスターは今年の集大成として、31日放送のNHK紅白歌合戦にも出場する。その回数は38回目。紅白への思い、そして今年を振り返りつつ未来を聞いた。【川田和博】
◇ ◇ ◇
NHKの紅白歌合戦には、1973年(昭48)「男の子女の子」での初出場から13年連続で出場。海外留学のため、連続出場は途絶えたが、2010年(平22)に9年ぶりに復活すると、その後は15年連続で出演中。22年にはデビュー50周年記念として「GO! GO! 50周年!! SPメドレー」を披露した。
今年の紅白出演を「それだけのことを考えてずっとやってきているわけではないので」としつつも、「やっぱりね、1年を締めくくる番組ですから、それはもう、うれしいですよ」。
38回目は70歳という節目の出演。「16歳でデビューして70歳なんですけど、なんかピンとこないんです、正直なところ。70歳になったんだなっていう気持ちはあるけど、それも一過性なものなので…」。
郷にとっては、70歳で出る紅白も、1つの通過点。「とはいえ、やっぱり大きなステージだし、出たくても出られない人もいっぱいいるわけですからね。単純に幸せなことだと思います」。
出場回数38回。これは歴代7位の記録。今回出演するメンバーでは石川さゆり(67)の48回に次ぐ2位でもある。「記録は、あんまり僕の中で意識してない。それよりも1回1回が本当に人々の記憶に残るような、そういったステージを作り上げたいと思っていますね」。
“記録より記憶”。それが郷のモットーだ。「今年も全国ツアーをやって、10月18、19日には武道館公演。つい先日からディナーショーがスタートしているけど、僕にとって全て特別なんです。延長線上じゃないんです。その分、スタッフは大変でしょうけど」。
全てが特別。そんな郷にあえて最も印象的な紅白を聞いた。「やっぱり初出場ですよね。『男の子女の子』を歌ったのは忘れもしない」。
当時の記憶をたどってもらった。「若さというエネルギーもあったじゃないですかね。だから『足がガタガタ震えていた』はなかったです。VTRで表情を見ても、全く緊張をしてないんですよ。笑顔でしたもんね。でも、そうそうたる人たちの中に僕がいていいんだろうかとは思いました」。
郷が紅白に初出演した当時、各テレビ曲の歌番組に、それぞれオーディションがあった。「必ずそれを通らないと歌えないんです。実はNHKのオーディションで、1度落ちていて、2回目で受かったんです。だから、受かったことがうれしかったし、紅白はもう偉大な番組でしたからね。それに出られるというだけで、本当にうれしかったですね」。
インタビュー時点では、曲も演出も決まっていなかった。いつものノリの良い郷ではなく、「ALL MY LOVE」をしっとり聞かせるのもありではと提案。「いい歌ですからね。でも、そう望んでないような気もしますけどね(笑い)」。
その上で希望を述べた。「トップバッターがいいですよ、本当は。でもそうはならない。旬な人が絶対にくるから。紅白なので、にぎやかな曲でっていう感じですかね」。
後日発表された披露曲は「2億4千万の瞳-エキゾチック・ジャパン-」となった。そして、ファンへメッセージを送った。「僕は本当に1年を締めくる大事な番組だと思っているので、心してご覧になってください。そして、楽しんでください。この1年を頑張って来られた方たちに、ぜひ見て欲しいなって思います」。(後編につづく)



