吉沢亮(32)が「国宝」(李相日監督)で最優秀主演男優賞を初受賞した。前年度に「正体」で同賞を受賞したプレゼンターの横浜流星(29)は「国宝」で、生い立ちも才能も異なるも互いに高め合い、芸に青春をささげていく歌舞伎俳優の2人を演じ合い、1年半にわたって歌舞伎の稽古もともにした間柄。それだけに、横浜が「『国宝』の吉沢亮さんです」と発表すると、抱擁をかわし、固く握手。横浜は拍手を送った。

吉沢は「ありがとうございます。非常にうれしく思っています」と受賞の喜びをかみしめた。そして「僕の名前を呼んで、トロフィーを渡してくれた横浜流星とともに大変な稽古期間を乗り越えた。彼がいなかったら喜久雄になれなかったし、この場に立つことはできなかった。僕自身と映画にとっても偉大な存在だった」と横浜に感謝した。

「支えていただいたおかげで作品も無事に終わり、素晴らしい景色をこの作品にたくさん見させていただいております」と「国宝」の作品自体にも感謝。「15歳で今の事務所に入って17年やって…まだまだですけども、お芝居って面白いなと思い、役者を続けてきた。芸を生きる人間の業、険しさを改めて痛感し、その先の喜びに触れられたような気がして、この道に進んだ自分を見つめ直した」と出演したことで俳優業への考え方も変わったと吐露。「僕自身も、ますます精進して参ります」と今後の抱負を語った。

「国宝」は作家・吉田修一氏(57)の同名小説の映画化作品で、吉沢は主人公・立花喜久雄の50年の人生を、少年期を演じた黒川想矢(16)と演じた。抗争で父を亡くした喜久雄を引き取る上方歌舞伎の名門の当主・花井半二郎を渡辺謙(66)半二郎の実の息子で、生まれながらに将来を約束された御曹司・大垣俊介を横浜と、少年期を越山敬達(16)が演じた。吉沢と横浜が、歌舞伎俳優の中村鴈治郎(66)から歌舞伎の指導を受けたことも話題を呼んだ。