「花と蛇」などの官能小説で知られる作家の団鬼六(だん・おにろく、本名黒岩幸彦=くろいわ・ゆきひこ)氏が6日午後2時6分、胸部食道がんのため東京都内の病院で死去した。79歳。滋賀県出身。葬儀・告別式の日取りは未定。喪主は長男黒岩秀行(くろいわ・ひでゆき)氏。

 関西学院大卒業後、相場師だった父親を題材にした「親子丼」が小説雑誌の新人賞に入選。純文学を書きながらバー経営に手を出すが失敗し、ポルノ小説を書き始めた。

 雑誌に長期連載した「花と蛇」は、サディズムとマゾヒズム(SM)を丹念に描いて話題を呼び、それまで未開拓だったSM小説の第一人者に。谷ナオミさんや杉本彩さんらが主演して映画化もされた。

 その他の代表作に「夕顔夫人」「不貞の季節」「真剣師

 小池重明」など。将棋好きとしても知られ「将棋ジャーナル」社主を務めたほか、映画の監督・製作やエッセーなど幅広いジャンルで活躍した。

 晩年は腎不全などを患い、闘病しながら執筆を続けていた。