女優深田恭子(29)が新境地に挑む。10月スタートのフジテレビ系の新連続ドラマ「TOKYOエアポート~東京空港管制保安部~」(日曜午後9時)で航空管制官を演じる。人間の命を預かる責任と仲間との絆を強く感じていくという設定。これまでコミカルで個性的な役柄で人気を集めてきたが、30歳の節目を目前にし、これまでにない設定とキャラクターで、演技の幅を広げていくつもりだ。

 ドラマの舞台は、間断なく航空機が離発着する日本を代表する空の玄関、羽田空港。深田演じる熱血新人航空管制官と航空業界のスタッフの絆を描いていく。空港で起こるハプニングや旅客の安全を守る職員の奮闘など、身近でありながら意外に知られていない空港の裏側も紹介していく。

 航空管制官は、一瞬の判断ミスが大事故につながるため、常に極度の緊張を強いられるハードな仕事。深田は「日本の空を守る航空管制官という仕事の奥深さを知り、今まで何げなく利用していた空港や飛行機の見方が変わりました。向上心が強く、自分にストイックな役柄を気を引き締めて演じたい」と話している。

 これまで深田は、抜群の存在感を生かし、ロリータファッションに身を包んだ女子高生や泥棒一味のリーダー、ドロンジョ様など、個性的なキャラクターを多く演じてきた。最近はNHKドラマ「セカンドバージン」やNHK大河「平清盛」で大人の女性を演じるなど、仕事の幅を広げつつある。今回もシリアスな表情や演技が求められそう。30代を迎える深田にとって転機にもなりそうだ。

 関口大輔プロデューサーも「最近、急に大人の魅力を身につけられた深田さん以外にいなかった」と話し、生き生きと働く大人びたたたずまいと、管制官としての凜(りん)としたたたずまいの二面性を演じ分けてほしいと期待を寄せている。

 深田にとってフジテレビ系連続ドラマの出演は「ファイティング・ガール」以来11年ぶり。同局では航空管制官に焦点を当てたドラマ「TOKYOコントロール」を昨年1月からCSフジで放送。本作は「TOKYOコントロール」から2年後の設定で、主幹管制官を演じた時任三郎が引き続き出演する。共演はほかに佐々木希、瀬戸朝香、要潤、瀬戸康史ら。

 ◆航空管制官

 航空機に指示を出し、航空機同士の異常接近や衝突などを防ぎ、安全に空の交通管理を行う係官。採用は国家試験で、合格率は数%と難易度は高い。

 ◆深田恭子(ふかだ・きょうこ)1982年(昭57)11月2日、東京生まれ。96年の第21回ホリプロタレントスカウトキャラバンでグランプリ受賞。98年フジテレビ系ドラマ「神様、もう少しだけ」でブレーク。04年映画「下妻物語」で多くの映画賞受賞。ドラマ出演は「フレンズ」「富豪刑事」、映画「死者の学園祭」「阿修羅のごとく」「ヤッターマン」など。163センチ、血液型O。