大みそかの第63回NHK紅白歌合戦の大トリを、いきものがかりが初めて務めることが18日、分かった。トリはSMAPが担当。過去4回の大トリを含め、3年連続5回目の白組ラストバッターになる。またこの日、NHKからは出場歌手の曲目が発表され、いきものがかりは、7月18日発売の「風が吹いている」に決定。同曲はNHKのロンドン五輪、同パラリンピックのテーマ曲だった。

 今年の大トリは、文句なしで決まった。NHK関係者は「夏のロンドンでの、日本選手のメダルラッシュの興奮を思い起こさせてくれる。この曲以外に今年を締めくくる大トリは考えられなかった」と明かした。ロンドン五輪のテーマ曲として、国民の胸を熱くさせた「風が吹いている」を歌ったいきものがかり。62年の紅白の歴史で、バンドアーティストが、大トリを務めるのは初めてだ。

 5年連続5回目の出場と、歴代の大トリ歌手に比べると、紅白でのキャリアは浅い。ただ、過去には、09年にNHK全国学校音楽コンクール・中学生の部の課題曲に、昨年には、センバツ高校野球の入場行進曲に採用されるなど、イメージは超優良。確かな歌唱力が人気で、今年は同局の五輪テーマ曲とNHKへの貢献度も、最上級だった。

 史上初めて五輪の全日程で日本人選手がメダルを獲得。金メダル7個を含む計38個のメダルも史上最多だった。ロンドン五輪のメダルラッシュは、長引くデフレ不況、昨年の東日本大震災および福島第1原発事故と暗い話題が続く中、人々を明るくさせる最大のニュースだった。

 12日に京都・清水寺で、発表された今年の漢字も「金」だったが、1年を締めくくるこの国民的番組に、ゲスト審査員や出場歌手の応援で多数のメダリストが駆けつける見込み。関係者も「最終的にどれだけのメダリストをご招待できるか分からないが、その方たちとともに、最後にあの感動をもう1度思い出せるようにしたい」と話している。

 7分44秒もある曲で、通常の音楽番組ではショートバージョンで歌われてきた。ただ、唯一、五輪開幕直前の7月21日放送のNHK音楽番組「SONGS」では、フルバージョンが披露された。紅白では、どちらのバージョンになるのかも注目だ。