女優沢尻エリカ(25)が、「別に」発言以来、5年ぶりに映画復帰することが10日、分かった。映画「ヘルタースケルター」(7月14日公開、蜷川実花監督)に主演、全身整形で芸能界のトップに上り詰める「りりこ」を演じる。15万部売れた同名の人気コミックの映画化で、コミックで描写されている整形、セックス、憎愛劇といった壮絶な描写も、沢尻サイドは「NG一切なし」で引き受けたという。クランクインは今月中旬。沢尻がヌードを披露する可能性もあるという。

 エリカ様が、スクリーンに戻ってくる。07年9月29日、主演映画「クローズド・ノート」の舞台あいさつでの応答で、腕組みをしたまま素っ気なく「別に」発言。これをきっかけに、芸能活動休止を余儀なくされた。事務所を移籍し、日本での活動を再開後も騒動続きで、映画界では「沢尻を使うのは難しい」という見方が続いていた。だが、この作品を指揮する蜷川実花監督が「(主演は)歓声と罵声を浴び続けている女性、沢尻エリカしかいない」と決断。迷うことなくオファーしたという。

 「ヘルタースケルター」は手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞した岡崎京子原作の人気コミック。全身整形で究極の美貌を手に入れた主人公のりりこが、次々と事件を巻き起こしながら、芸能界の頂点を極めようとする生きざまを描いている。

 実は沢尻も、この役を演じることを希望していた。内容に引き込まれ、「りりこを演じてみたい」との思いを募らせていたという。そのタイミングで届いたオファー。蜷川監督は個人的にも親しく、断る理由はなかった。

 注目は、沢尻がどこまで原作に忠実な描写に挑むことができるかだが、関係者によれば、沢尻サイドは、「NGは一切なし」の意気込みだという。原作には「もとのままのもんは、骨と目ん玉と髪と耳とアソコぐらい」などの過激なセリフ、整形の反動、後遺症、セックス、枕営業、精神錯乱などの描写もあるが、関係者は「ヌード(の可能性)も含めて、楽しみにしていただけると思う」と話している。

 クランクインは今月中旬に迫った。共演は、りりこのマネジャーに寺島しのぶ、後輩モデルに水原希子、刑事に寺島進、映画プロデューサーに哀川翔、りりこの恋人に窪塚洋介、プロダクション社長に桃井かおりと、個性派を適材適所に配置した。海外の3大映画祭に出展を予定するなど、スタッフの結束は強い。5年ぶりの映画復帰で完全な汚れ役に挑む沢尻は「作品に衝撃を受けた。とにかく面白い。この作品は絶対私に合う。やっぱり(映画の)現場が好きなんだと感じた。気合十分。沢尻、女優として、ひと肌脱ぎます」と、意欲満々に語った。