2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会は20日、東京都内で理事会を開き、両大会開閉会式のプランを作成する「4式典総合プランニングチーム」の設置を決めた。映画「君の名は。」をプロデュースした川村元気氏(38)や狂言師の野村萬斎(51)らメンバーは8人。基本プランを来年夏までにまとめ、これを受けて各式典監督の選定が行われる。
大会のハイライトの開閉会式でも、東京の試みは新しかった。五輪、パラリンピック開閉会式の一連のプラン作りを行うチームを結成。各式典ごとの演出監督を決める前に、4式典をトータルで考える「総合監督チーム」を稼働させる。五輪開会式に始まりパラリンピック閉会式で終わる壮大な「ドラマ」が、20年夏に東京で繰り広げられる。
「4部作」の考え方は、式典の基本コンセプトを話し合う有識者懇談会で決まった。五輪からパラリンピックへのスムーズな転換のため、4式典を「起・承・転・結」で構成。この日、理事会で承認された全体のコンセプトは「平和」「共生」「復興」「未来」「日本・東京」「アスリート」「参画」「ワクワク感・ドキドキ感」。これをもとに4部作が構成される。
映画「ALWAYS 三丁目の夕日」で64年東京五輪も描いた映画監督の山崎貴氏(53)ら8人のメンバーはスペシャリストぞろい。椎名林檎(39)ら昨年のリオ五輪閉会式で東京への「フラッグハンドオーバーセレモニー」を演出した4人も名を連ねた。8人の平均年齢は45・5歳だが、人選した有識者懇談会は平均67・4歳。一線を退きつつある世代だからこそ、同世代でなく「若い世代」に2回目の東京への思いを託すことができた。
前回東京大会の64年に生まれた山崎氏は「身に余る大役ですが、ない知恵を絞って頑張っていこうと思います」。最年少の川村氏は「日本が誇る才能と主役であるアスリートたちを最高の形でマッチさせて、全世界に届けたい」とコメントした。組織委員会の中井元チーフ・セレモニー・オフィサーは「7人の侍、ゴレンジャー、日本人はチームで力を合わせた方がいい」と説明。8つの才能が練り上げた「式典4部作」が、東京大会のハイライトとして世界の耳目を集める。【荻島弘一】