2月22日に行われるサウジカップまであと3週間。フルゲート14頭の出走枠が徐々に埋まってきました。日本からはフォーエバーヤング、ウィルソンテソーロ、ウシュバテソーロ、それにラムジェットの4頭が招待受諾して出走枠を確保。これに昨年のドバイワールドカップの覇者ローレルリバー、昨年のBCクラシックの勝ち馬で米最優秀3歳牡馬のシエラレオーネ、ドバイでひとたたきされて初ダートに挑む香港のロマンチックウォリアー、現地の前哨戦優勝で出走権をつかんだラトルンロール、米国での壮行レースとなったG1ペガサスワールドカップで完全復活をアピールした古豪ホワイトアバリオ、それに南米最強と名高いエルコディゴ、ペガサスワールドカップで2着したロックド、同5着のサウジクラウンを加えた12頭は当確とみられています。これ以外にも、昨年の米最優秀牝馬スプリンターに選ばれたソウルオブアンエンジェルや前年のサウジダービー2着馬のブックンダンノなども立候補しています。

日本馬のライバルとなる馬の顔ぶれを2回に分けて紹介しましょう。

・シエラレオーネ(牡4、父ガンランナー、C・ブラウン厩舎)

昨年のBCクラシックを制してエクリプス賞の最優秀3歳牡馬に輝いたシエラレオーネが初の海外遠征に挑みます。2歳時は2戦1勝、2着1回。3歳初戦となったG2リズンスターSを制して初重賞を飾り、ケンタッキーダービーの地元前哨戦となるG1ブルーグラスSを快勝。ゴール手前で3頭横一線の混戦になったケンタッキーダービーを鼻差2着し、3着のフォーエバーヤングに鼻差先着しました。その後はG1ベルモントS3着、G2ジムダンディS2着、“真夏のダービー”の異名を取るG1トラヴァーズSも3着と足踏みを続けましたが、満を持して挑んだG1BCクラシックではライバルのフィアースネスをマークして直線でこれをかわして優勝、世代トップの力量を証明しました。

母ヘヴンリーラヴの半姉のフォーエヴァーダーリングの息子がフォーエバーヤングで、ケンタッキーダービーやBCクラシックを争った2頭はいとこ同士。3度目の直接対決の行方に注目が集まります。

・ローレルリバー(牡7、父イントゥミスチーフ、B・シーマー厩舎)

24年のロンジン・ワールドベストレースホースランキングで、欧州のシティオブトロイと並んで世界一の座につきました。米国でデビューしたローレルリバーは7戦4勝ののち24年にUAEのB・シーマー厩舎へ転厩。1月のG3アルシンダガスプリント7着、3月のG3ブルジュナハール優勝をステップに移籍3戦目で臨んだドバイワールドカップはタイグ・オシェア騎手を鞍上に最終コーナーからペースを上げて2着のウシュバテソーロに8馬身半差の圧勝。世界をあっと言わせました。その後は長期の休養に入っていましたが、1月24日にメイダン競馬場で行われたG3ファイアブレイクSで復帰。後続を大きく離す逃げで場内を沸かせましたが、最後は手応えが怪しくなって伏兵キングゴールドの2着となっています。サウジカップのあとは連覇のかかるG1ドバイワールドカップに向かう予定になっています。

・ロマンチックウォリアー(セン6、父アクラメーション、D・シャム厩舎)

昨年12月8日のG1香港カップに優勝直後の12月17日にドバイへ移動しました。中東での初戦となった1月24日のG1ジェベルハッタでは主戦のジェームズ・マクドナルド騎手を背に3番手追走から残り100メートルで先頭に立って優勝。昨年12月にメジャードタイムが塗り替えたレコードを更新(芝1800メートル、1分45秒10)して年をまたいで8連勝を飾りました。G1・10勝はゴールデンシックスティと並んで香港調教馬の最多勝記録です。サウジカップがダート初挑戦となりますが、オールウエザートラックでの調教では素軽い動きを見せていてシャム調教師は自信をうかがわせています。

・ホワイトアバリオ(牡6、父レースデイ、S・ジョセフJr.厩舎)

一昨年のBCクラシックの覇者で通算成績は20戦9勝。ピンフッカーが1歳のセリで落札した価格はわずか7500ドル(約116万円)という廉価でしたが、デビューするやメキメキ頭角を現してG1フロリダダービーやG1ホイットニーSを制し、BCクラシックの優勝で米国馬の頂点に立ちました。昨年のG1サウジカップは人気を背負いながら見せ場なく10着に終わって、予定されていたG1ドバイワールドカップをキャンセルして帰国。6月のG1メトロポリタンハンデキャップ5着を挟んで古巣のS・ジョセフJr.厩舎に戻ると11月の条件戦に優勝。12月28日のG3ミスタープロスペクターS2着から臨んだ1月25日のG1ペガサスワールドカップでは5番手追走から直線ぐいぐい伸びて完全復活をアピールしました。

・ラトルンロール(牡6、父コネクト、K・マクピーク厩舎)

2歳時のG1ブリーダーズフューチュリティ優勝など米国で6つの重賞を制しているラトルンロールは、ケンタッキーダービー馬ミスティックダンを送ったケネス・マクピーク厩舎のベテランです。一昨年秋に脚部不安に襲われて、ほぼ1年を棒に振りましたが、昨年9月のG2ルーカスクラシックS(3着)でカムバック。11月2日のG1BCクラシックをめざしましたが、ここは補欠のままで出走かなわず。目標を切り替えて臨んだ同月29日のG2クラークSを鮮やかに差しきって約1年半ぶりに勝ち星を挙げました。その後、昨年セニョールバスカドールをリースで獲得して、サウジカップ優勝につなげたサウジアラビアのシャラフ・モハメド・ハリーリ氏によって中東3戦のみのリース契約が結ばれてサウジ入り。1月25日に行われたG3二聖モスクの守護者杯では後方追走から直線でライバルをごぼう抜きして優勝、本番の優先出走権をつかみました。

(ターフライター奥野庸介)※競走成績などは2025年1月31日現在