7月6日(土)に行われたG1エクリプスS(芝1990メートル、サンダウンパーク)は当日2番人気に浮上したドラクロワ(牡3、父ドバウィ)が、残り400メートルで先頭に躍り出た本命馬オンブズンマン(牡4、父ナイトオブサンダー)をゴール寸前でかわして優勝。出走した6頭の内、唯一のG1未勝利馬が金星を挙げました。
ドラクロワは2歳時に5戦2勝、10月のG3オータムS(芝1600メートル、ニューマーケット)を1番人気で制し、中1週で臨んだG1フューチュリティトロフィー(芝1600メートル、ドンカスター)は、エクリプスSで5着したホタズヘルに鼻差2着で惜敗、シーズンを終えました。
3歳初戦となったG3バリーサックスS(芝2000メートル、レパーズタウン)は、のちに英、愛のダービー馬となる僚馬ランボーンに2馬身4分の1差をつけて完勝、4月のG3愛ダービートライアルS(芝2000メートル、レパーズタウン)は残り400メートルからスパートして2着に2馬身4分の3差をつけて自身3度目の重賞勝ちを飾りました。
重賞連勝で1番人気に推されたG1英ダービー(芝2410メートル、エプソムダウンズ)は距離延長の影響があったのか、それまでの強さが影を潜めて9着に敗れました。主戦のライアン・ムーア騎手は、仏ダービー馬でこのレースで4着したカミーユピサロを選ぶこともできましたが、ドラクロワを手放さず、きっちりと結果を出してみせました。
ドラクロワは、母のテピンを所有するテピンシンジケートの生産で、クールモアの馬には珍しいドバウィの産駒。母のテピンは米国でG1ブリーダーズカップマイル(芝1600メートル、キーンランド)、欧州に遠征してG1クイーンアンS(芝1600メートル、アスコット)を制すなどG1・6勝(通算13勝)を挙げて15年と16年にエクリプス賞最優秀芝牝馬に輝き、米国競馬の名誉の殿堂入りも果たした名牝。そのテピンは引退後にカーリンを受胎して上場された米ファシグティプトン11月セールで、クールモアのメンバーによるテピンシンジケートに800万ドル(当時の交換レートで約9億1200万円)の高値で落札されました。
最初の産駒となったカーリンの牝馬と、2番子となるガリレオの牝馬はともに不出走に終わりましたが、3番子のグレートフル(牝4、父ガリレオ)は昨年秋にG1ロワイヤリュ賞(芝2800メートル、パリロンシャン)に優勝、これと前後してドラクロワがG3オータムSを制して母としてのテピンに脚光が集まりました。
クールモアが、テピンが23年に死亡したことを明らかにしたのはちょうどこの頃のことでした。
テピンにとって唯一の牡馬産駒となったドラクロワがG1を制したことで、ガリレオ系種牡馬をメインとしてきたクールモアは、牧場の次代を担う“金の卵”を手に入れることになりました。
ドラクロワの次走はダノンデサイルが参戦を予定する8月20日(水)のG1英インターナショナルS(芝2050メートル、ヨーク)になる模様です。
インターナショナルSにはG1愛2000ギニーとG1セントジェームズパレスSを連勝中のフィールドオブゴールド(牡3、父キングマン)、エクリプスS2着から巻き返しを図るオンブズマン、G1サンクルー大賞に勝ってシルバーコレクターを返上したカランダガン(セン4、父グレンイーグルス)、プリンスオブウェールズS2着のアンマート(セン7、父オータード)、同3着のシーザファイア(牝4、父シーザスターズ)なども出走の意向、豪華な顔ぶれになることが予想されています。
(ターフライター奥野庸介)
※競走成績などは2025年7月10日現在



