史上初となる5度目のJRA賞最優秀障害馬に輝いたオジュウチョウサン(牡12)が11日、千葉県の和田牧場から新たな繋養(けいよう)先となる北海道の坂東牧場へ出発した。

午後0時半、馬房から姿を現した絶対王者は場内を見回し、しばらく立ち止まった。和田正道場長(元JRA調教師)は「こんなに長く立ち止まることはこれまでになかった。もうここへ戻ってこないことがわかってるんだね。本当に頭のいい子だ」としんみりと語り、「昨日はあれだけ風が吹いて寒かったのに、今日はこんなに空が晴れわたって、暖かい日になった。まるでオジュウの門出を祝うかのようですね」とほほ笑んだ。

厩舎から馬運車までコース脇を約400メートル、牧場スタッフ全員が軽トラックと徒歩でオジュウの後を続いた。現役時は美浦トレセンの和田正一郎厩舎と和田牧場を往復する日々だったオジュウが慣れ親しんだ場所から生まれ故郷、北の大地にある坂東牧場へ向かう。「さみしくなるね」「オジュウ元気でやるんだよ」「お前なら大丈夫だぞ」。スタッフたちが次々に言葉を掛けると、オジュウは立ち上がり、元気な姿でエールに応えた。

オジュウチョウサンを乗せた馬運車は青森を経由し、12日に北海道の坂東牧場へ到着予定。今後は同牧場を拠点に種牡馬としての活躍が期待される。平地未勝利から数々の記録を打ち立て、多くの感動を与えた「絶対王者」の挑戦は続いていく。