キタサンブラック産駒から、また怪物候補が生まれた。1番人気に支持されたスキルヴィング(牡、木村)が3連勝で重賞初制覇を決めた。5月28日東京のダービー(G1、芝2400メートル)への優先出走権を獲得し、無事ならば同レースへ出走する見込みだ。鞍上のルメール騎手がその力を認める同馬であれば、大舞台制覇も夢ではない。
1頭だけ、積まれているエンジンが違う。最後の直線、大外を選択したスキルヴィングが堂々と突っ込んでくる。高低差2・1メートルの坂をのぼり切ると、そのスピードは加速した。先に抜け出したハーツコンチェルトを捉えきり、ダービーと同舞台の一戦を制した。
JRA・G1通算43勝の鞍上がその能力を認める。ルメール騎手は同馬の強みを問われると、笑顔を浮かべた後に一言。「G1ホースだと思います」と言い切った。同じキタサンブラック産駒で「ロンジンワールドベストレースホースランキング」1位のイクイノックスの背中を知る名手が、同馬を褒めたたえた。
管理する木村師はほっとした表情を浮かべる。「よく勝ってくれたなと思います。将来がある馬で、今日で終わりの馬ではないですから」。2400メートル戦ながら、道中は外々を回った。向正面では他馬に寄られるシーンもあった。その中での勝利。「2着馬も強い馬ですから。そういう馬に先着できたのも良かった」。見た目以上に中身の濃いレースだった。
次は大舞台。同産駒の強敵・ソールオリエンスが待ち構える。それでも鞍上からは「経験を積んで大人になっている。ダービーにはトップコンディションで出走出来る」と心強い言葉があった。無事に出走となれば、名勝負が期待出来る。青葉賞から初のダービー制覇は、この馬かもしれない。【阿部泰斉】

