単勝1・7倍の圧倒的支持を受けたヤマニンウルス(牡4、斉藤崇)がデビュー5連勝で重賞初制覇。
あらためて大物ぶりを見せつけた。ハイペースの中、好位追走から後続を寄せ付けず、3馬身差の圧勝。武豊騎手(55)はこの夏初の小倉参戦でいきなり重賞を制した。未来の砂王は今後、12月1日中京のチャンピオンズC(G1、ダート1800メートル)を大目標に据える。
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ほとんどの先行馬が苦しんだタフな流れ。だが、ヤマニンウルスだけは「涼しい顔」(武豊騎手)で走っていた。1コーナーを回る時は4番手。向正面で3番手に上がると、早くも3コーナーで動きだす。勢いが鈍った前の2頭をパスし、直線を迎える頃には単独先頭。そのまま危なげなく押し切り、デビュー5連勝で重賞初制覇を成し遂げた。
鞍上の武豊騎手はこの日が今夏の小倉初参戦。「やっぱり小倉は暑いね」と苦笑いだったが、しっかりと仕事をこなした。「改めて、この馬は強いなと思いました。相手に合わせず、この馬のペースで走らせた。どこまで強くなるのか楽しみ」。大物ぶりを披露した相棒をたたえた。
一昨年夏の小倉でデビュー。その新馬戦が衝撃的だった。ルーキーの今村聖奈騎手を背に、早めに先頭へ立つと、直線は後続を突き放す一方。2着馬につけた4秒3差はJRA平地競走における史上最大着差(84年以降)だった。それでも当時は「トモが緩く、まだまだ成長途上だった」と斉藤崇師は振り返る。あの夏から2年もたつのに、まだキャリアが5戦なのはそのせいだ。
そんな中でも徐々に、完成へと近づいている。武豊騎手は「前走の返し馬の感触は良くなかったけど、今日は今まででいちばん雰囲気が良かった」と着実な進化を感じ取った。
今後の目標はチャンピオンズCに置かれている。トレーナーは「この後は宇治田原優駿ステーブルへ放牧に出します。チャンピオンズCに使いたいので、現状で賞金が足りるのかを探り、足りないようならもう1走することも考えます」とプランを明かした。
これだけの能力を見せながらも「まだキ甲が抜けていない」(同師)と、首の付け根の形状が大人になっていない。ウルスは末恐ろしい。【岡本光男】
◆ヤマニンウルス▽父 ジャスタウェイ▽母 ヤマニンパピオネ(スウェプトオーヴァーボード)▽馬主 土井肇▽調教師 斉藤崇史(栗東)▽生産者 錦岡牧場(北海道新冠町)▽戦績 5戦5勝▽総獲得賞金 8346万1000円▽馬名の由来 冠名+クマ(仏)

