メイショウタバル(牡、石橋)が、逃げ切って重賞2勝目を挙げた。1コーナー手前で先頭に立つと、その後は後続を離しての独り旅。最後は2着ジューンテイク(牡、武英)に半馬身差をつけて粘り込んだ。折り合いに苦労した春とは一変、浜中俊騎手(35)との息もばっちりで精神面の進化を見せた。次走は菊花賞(G1、芝3000メートル、10月20日=京都)へ向かう可能性が高い。
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まるで皐月賞のような後続を離しての独り旅。だが、中身が違った。「あの時はムキになっていたが、今回はふわっと走れていた」。石橋師はその走りっぷりに進化を感じていた。
メンタルの余裕は、スタミナの温存につながった。直線に向いた時の後続との差は3~4馬身。その差をなかなか詰めさせなかった。最後は脚色が鈍ったもののしっかり半馬身差を残してゴールイン。2200メートルを堂々と逃げ切った。浜中騎手は「強かった。こんな形になったらしぶとい」とたたえた。
もともと能力には定評があった。3月の毎日杯で2着馬につけた着差は6馬身。調教ではスタミナがいる栗東Cウッドで楽々と6ハロン78秒台の猛時計をたたき出す。今回のペースは、やや重の馬場で1000メートル通過が1分ジャスト。2着に敗れたジューンテイクの藤岡佑騎手は「思った以上に勝ち馬がしぶとく、こちらも最後はあっぷあっぷになった」という。よどみなく逃げて、後続のスタミナを奪った。
能力を生かすには折り合い面が大事になるが、それも完璧だった。浜中騎手は「この馬の気分に任せたが1コーナーを非常にうまく入れた。道中も(スピードを)上げすぎず、緩めすぎず、馬とのコンタクトを優先した」と振り返った。
この後は菊花賞が視野に入る。距離は800メートル延び、3000メートルの長丁場。今回のトライアルを経て、さらに心肺機能は高まるだろう。「このままいい形で本番へ行けたら」と鞍上は腕をぶす。最下位17着に失速した皐月賞、出走を取り消したダービー…そんな春の無念を、菊で晴らす。【岡本光男】
◆メイショウタバル▽父 ゴールドシップ▽母 メイショウツバクロ(フレンチデピュティ)▽牡3▽馬主 松本好雄▽調教師 石橋守(栗東)▽生産者 三嶋牧場(北海道浦河町)▽戦績 7戦4勝▽総獲得賞金 1億1448万1000円▽主な勝ち鞍 24年毎日杯(G3)▽馬名の由来 冠名+熊本県の地名。

