元阪神投手コーチで日刊スポーツ評論家の中西清起氏(58)が、ヤクルト-阪神戦をチェック。阪神好調の要因を解説した。

  ◇  ◇  ◇

-開幕3連勝の阪神は、この3戦で8人のリリーフをすべて使い切った。この日は、先発ガンケルから、加治屋、石井大、9回はオープン戦好調だった小野が締めた。

中西 今シーズン採用された「9回打ち切り」のルールに十分対応ができることがわかった3連戦だった。6回降板のガンケルは7回まで投げてもおかしくない投球内容だが、ベンチとしてはリリーフがそろっているから迷うことなくスイッチができる。その先に、8回岩崎、9回スアレスが控えるのは大きい。

-開幕戦(26日)の7回は3番手石井大が同点に追いつかれると、加治屋で流れを断った。この日は3点リードの7回に加治屋を投入し、下位打線の1イニングを封じ込んだ。

中西 このヤクルト3戦のリリーフのポイントは加治屋の働きだった。どの展開でも結果をだしたのは収穫で、補強がうまくいったという表れだろう。そして勝ちパターン、負けパターンに投げるリリーフの力量差にあまり隔たりがないということもいえる。そこは昨年と違うところだ。

-ヤクルト3連戦でリリーフした“8人の男”のメンバーにあって失点したのは桑原、石井大の2人だった。

中西 今シーズンに限っては、先発に「もう1イニング」を求めるケースが少なくなるかもしれない。相手チームに追い上げられたら、先発ピッチャーを引っ張るより、確率の高いリリーフにスイッチする戦いが増えるのかもしれない。そこは早め、早めの継投になりそうだ。その意味でも3連戦でリリーフが力を発揮した。チームが若いだけに、この3連勝で勢いをつけたい。【取材・構成=寺尾博和編集委員】

阪神担当のツイッターはこちら―>

阪神ニュース一覧はこちら―>