開校3年目のふたば未来学園(福島)が悲願の夏初勝利を快挙で成し遂げた。エース左腕・草野陸世(りくと)投手(3年)が9回を88球で抑えきるノーヒットノーランを達成。3-0で福島北を破り、夏の大会では初めて校歌を歌い上げた。同校は、東日本大震災と原発事故の影響を受け、福島県双葉郡の県立高5校を統合する形で、15年春に開校した。東日本大震災から6年と4カ月のこの日、復興半ばの地元に明るい未来の風を届けた。

 元高校球児で、開校に尽力した自民党の小泉進次郎農林部会長(36)は、「長嶋茂雄さんは『野球は筋書きのないドラマ』と言ったが、それを地でいくような結果だ。選手の皆さんは苦難を乗り越え、理屈を超えたドラマを生んでくれた」と手放しで喜んだ。「ここまで接戦でのノーヒットノーラン達成は、すごい」と、3対0&88球での快挙達成も絶賛。「学校を引っ張った1期生が、末永く残る伝説をつくってくれた。自分の経験から、迷った時はフルスイング。次の試合も縮こまらず、何が起きるか分からない試合をしてほしい」と、エールを送った。