北北海道大会が開幕し、岩見沢東が7-5で北見緑陵を下し、8年ぶりの北大会1勝を挙げた。平日の練習時間が2時間半ほどと限られる中で、松井渉主将(3年)と若林幸汰副主将(3年)が時には昼食時間を削り考えた効率のいい練習を重ねた成果で、学校創立100周年の節目の年に白星をもたらした。

1922年の創立から今年で100周年。岩見沢東が節目の年に8年ぶりとなる北大会白星をつかんだ。春全道出場の北見緑陵を下しての勝利。松井主将は「みんなに応援されているので、それが力になったのかなと思う」。同校OBの加藤範幸監督(58)は「なかなか簡単にはいかなかった。脈々と続いてきた伝統というわけではないですが、続いてきた力がこうして発揮できた。生徒たちに感謝したい」と声を詰まらせ涙をぬぐった。

両チーム無得点で迎えた4回表無死満塁の好機で6番武田の中犠飛で先制した。その裏同点に追いつかれたが、直後の5回の攻撃で1点勝ち越し。さらに1死一、三塁から4番熊谷の左前適時打などで一挙3得点を挙げるなど、中盤得点を重ね主導権を握った。この日公式戦初の4安打と打線を引っ張った熊谷は「状況に応じて、適した打球が打ててよかった」と振り返った。

同校は空知地区を代表する進学校。定時制もあり、平日は午後7時で完全下校となる。練習できるのは2時間半ほどと長くはないため、いかに効率よくスムーズに練習できるかというのを考えながらやってきた。

昨秋の新チーム結成時から、松井主将と背番号2の若林副主将が毎日、昼休みに職員室へ向かい監督に相談のもと、練習メニューを作成。休み時間中に「岩東野球部」と名の付いたグループLINEに選手とマネジャーへ内容を共有し、目的意識の統一を図ってきた。松井主将は「早弁したりとか、食べられない時もたまにある」と、時には“ランチタイム返上”で最後の夏にかけ野球と向き合ってきた。

次戦は準々決勝で春センバツ出場の同地区クラークと激突する。春の地区大会では0-6と完封負け。松井主将は「意識するところはもちろんある。北大会2勝を達成できるように」と闘志を燃やした。【山崎純一】

●北見緑陵・竹下虎汰郎投手(3年) (双子の弟右恭一塁手との夏を終え)弟がいてくれたからここまで頑張れた。昨日(13日)が誕生日で、みんなに祝福の言葉をもらった。何とか勝って喜びたかった。