マリンの風に、白星がさらわれた。ソフトバンク2点リードの5回。ロッテの先頭クルーズがセンターにフライを打ち上げた。ホーム方向に吹く7メートルの強風に押し戻される。柳田悠岐外野手(26)が落下点に入ったが、グラブの土手ではじいた。「センターが取らないといけない。もっと僕が積極的に取りにいっていれば…。トナリさんに、迷惑をかけて、申し訳ない」。右翼福田も近くにいる状況で、中途半端になった。痛恨の失策で二塁まで走者を進めた。

 1つのプレーで、試合は暗転した。大隣が流れを止められない。続く今江に右前打を許すと、1死満塁で8番田村にチェンジアップを右前に運ばれた。同点にされると、四球、適時二塁打、犠飛で今季最悪の5失点。最短の5回KOでマウンドを降りた。「簡単に行き過ぎた。(悪い)流れを自分で作った部分がある。エラーはつきもの。抑えるのが、投手の仕事。心の余裕がなく、窮屈になったかな」。4回までは直球とチェンジアップのコンビネーションが光った。失策で心は乱れなかったが、劣勢で攻めの姿勢を失ってしまった。

 工藤監督はバッテリーの変化を見逃さなかった。「今までの投球ができなかった。攻め方が変わった。変化球が続けば、バッターとすれば、甘い球を待つだけ。もったいなかった」。かわそうとすれば、相手につかまる。泣かされた風については「誰でもエラーはする。大事なのは同じミスをしないこと」。守りがほころぶと、勝機はなくなる。今後の教訓となる敗戦だった。【田口真一郎】