巨人原辰徳監督(56)が「決定力の極意」を説いた。チームは17日、東京ドームで約3時間の全体練習。19日からの中日戦に向け、課題の打撃に多くの時間を割いた。原監督は好機での力みがバッティングに及ぼす悪影響を強調。練習から力みを受け止め、克服することが大切とまとめた。リーグ戦に戻り、自慢の攻めを取り戻す。

 同じ監督業の立場から、心中をおもんばかった。サッカー日本代表が、世界ランク154位のシンガポールと引き分けた。圧倒的に攻めながらも0-0の展開。原監督は「番狂わせもある。本当に難しいスポーツ」と蹴球の奥深さに敬意を払った。試合後に「私がプレッシャーをかけすぎた」と言ったハリルホジッチ監督の潔さに、「チームを前に進める方法として素晴らしい」と共鳴。「引き受けてくれた方。見守っていこう」と優しく添えた。

 話題は「決定力の養成」に転がっていった。「ランナーがいると気負いが入り、ドアスイングになる。楽にして、余計に(右打者なら)左手1本で打つぐらいの感じでやったらどうだろう」と、ここ一番での極意を説いた。頭では分かる。ならば、と力みを受け入れる領域にまで踏み込んでいった。

 左右の手を80センチ広げた。「ゴルフのウイニングパットは、このくらいの距離でも本当に力むという。『力むな』と言っても無理。だから、手が白くなるくらいまで強く握ってパター練習をするプロもいる」。打撃も同じだという。「力んだ時の感覚を、自分で知っておくことが大切。そうすれば本番で、力んだ中での動作ができる。練習から想定して」と続けた。力まない理想型を理解した上で、力みに慣れておく。矛盾するようで、でも大切なプロの資質だった。

 フリー打撃では1カ所に高速マシンを導入し、対応の幅を持たせた。「野球は、攻撃が最大の防御。『専守防衛』はない」と原監督。得点力アップの命題を乗り越える。【宮下敬至】