金本知憲氏が次期監督の要請を受諾し、阪神坂井信也オーナー(67=電鉄本社会長)の喜びもひとしおだ。17日、神戸市内で取材に応じ「良かったということ」と胸をなでおろした。坂井オーナー直々に次期監督として就任を熱望し、2週間以上のロング交渉の末に誕生した新監督。明日19日にも直接会談して再建を託す。名門復活に向けて第1歩を踏み出した。

 10年連続V逸の苦境を憂えていた坂井オーナーは待ちに待った吉報が届き、穏やかな表情だった。「金本監督」の誕生。ビッグニュースを聞いたのは、この日の午後5時ごろだった。「喜んでいますけどね」と笑顔を見せた。

 球団は誠心誠意のラブコールを送り続けた。今月1日の要請など3度、交渉のテーブルについたが、金本氏に近い関係者によれば、当初は「指導者経験のない自分に重責が果たせるか」と就任に否定的だったという。慎重な姿勢を示していた金本氏の心を解きほぐしたのは球団の熱意だろう。初交渉から17日目。長丁場の話し合いが実り、虎の総帥も胸をなでおろした。

 「長いといえば長いけど、言うことをすべて言うてね。(交渉役の)南社長に任せていた。十分、話をできていると思っている」

 来季の巻き返しに向けて課題は山積みだ。05年の優勝以降、シーズン佳境で失速する展開が続き、栄冠から遠ざかる。主力は高齢化し、外国人頼みの戦力編成は限界に近い。和田監督の退任会見が開かれた13日にも坂井オーナーは「熱くタイガースを変えていけるという、再建するという言葉が適切なのか。出直すという言葉が適切なのか。1度つぶしてしまって新しく作っていくという言葉が適切なのか」と危機感をにじませていた。ついに個人名を挙げることができたこの日も語気を強める。

 「若干、緊張しています。金本さんの意気込みに負けんように、と思っています。熱い人やし『一生懸命、命を懸けてやる』というコメントも聞いたりしている。回復にふさわしい人やと思う。良かった」

 誰よりも新監督候補として金本氏を熱望したのは坂井オーナーだった。「また会って、いろいろと話をさせていただきたい」。明日19日にも直接会談して、チームの抜本的な改革を託す。球団81年目の再スタートへ。意中の新指揮官とともに、阪神再生に向けた大改革を始める。