新生巨人の初戦で、由伸チルドレンが躍動した。ドラフト2位重信慎之介外野手(22=早大)が18日、韓国・LGとの練習試合に「2番左翼」で先発出場し、4打数3安打1打点1盗塁。5回には右飛で一塁から二塁にタッチアップを決めるなど、積極的なプレーで高橋由伸監督(40)を喜ばせた。紅白戦2試合を含め、実戦は12打数8安打。新人野手で唯一1軍に抜てきされた重信の活躍で、高橋監督が“白星発進”した。
重信が加速するたびに、高橋監督の口角が上がっていった。5回1死一塁。一塁走者でポール際の飛球を追う右翼手が後ずさりして落下点に入るのを逃さない。「捕る体勢がベストじゃない。いける」。前日の20メートル走は2秒42で巨人史上最速の鈴木の2秒39に肉薄した。“神の足”と評される先輩に匹敵する俊足で二塁をタッチアップで陥れた。
「いい判断で思い切っていけた」と、納得した表情でうなずいた。初陣で試合中は表情の変化が少なかった新人監督を「積極性があった。いいアピールをしてくれた」と、瞬間的にこの日一番の笑顔にさせた。
打撃も際立った。1、3打席目では左腕から安打を放ち、9回1死三塁では痛烈な右前適時打を放った。紅白戦を含めて12打数8安打。新人だけに、新監督に猛アピールしようと野心をたぎらせても不思議ではない。「緊張はなかった。積極的に、平常心でいけている。学生時代からのルーティンも変えていません」と初々しさとは無縁だった。
首位打者を獲得した早大4年時から行う、打席に入る直前の“儀式”が平常心を生んでいる。次打者席で重さ600グラムの軽量バットを振り込んでから、890グラムのバットに持ち替えて打席に向かう。重いマスコットバットを振ってから入るのが一般的だが、逆だ。「スイングのスピード感を体と脳に染み込ませてから打席に向かう」。自分のスイングは速いと頭と体に暗示を掛け「打ちたいと思わず、思い切ってやるだけと考えられる」と、力まず能力を発揮できている。
若さゆえに粗さもある。1回に二盗を決めたが、3回には一塁けん制死。9回は一塁走者で二塁をオーバーランしてタッチアウトになった。「走塁は反省点の方が多い。打撃もベストは10割なので、満足はしていません」。だが、高橋監督は「失敗を恐れず経験することが大事」とチャレンジ精神を買った。新監督の下で巨人は生まれ変わる。重信がスローガン「一新」の象徴になる。【浜本卓也】



