バランス重視で白星量産だ。阪神藤浪晋太郎投手(22)が新フォームで後半戦に臨む。今日22日の広島戦(マツダスタジアム)先発に向け21日、甲子園で調整。ゆったりと足を上げるマリナーズ岩隈のような投球フォームを披露した。前半戦15試合で4勝5敗と苦しんだ右腕は、大胆なフォーム変更に着手。「左アキレスけん断裂」で離脱した西岡のためにも、快投を誓った。

 しなやかなフォームからボールが放たれる。炎天下の甲子園。グラウンドでキャッチボールを行う藤浪は変貌を遂げていた。ゆったりと足を上げる。左手のグラブもバランスを意識したように打者方向に押し出す。美しいと評されるマリナーズ岩隈のような一連の動作だ。はた目に見ても明らかな変化。もちろん、藤浪自身も意識を変えていた。

 「足の上げ方とか、いろいろと考えながらやっているつもりです。(変更点は)セットの入り方。足の上げ方。フィニッシュですね」

 今季は前半戦は15試合に登板して4勝5敗、防御率3・46と苦しんだ。開幕3戦3勝の好スタートを切ったが、それ以降は12試合でわずか1勝。前半戦最後のマウンドとなった8日広島戦は今季8度目の初回失点を喫し、金本監督から自己最多161球の“懲罰続投”を命じられた。

 球宴休み期間を利用して投球を見つめなおした。試行錯誤の結果、新フォームにたどり着いた。前日20日のブルペン投球を見守った金村投手コーチは「すごく良かった」と証言。「明日(今日22日)違いが分かると思う」と、後半戦初戦からの激変を予言した。

 冷静な22歳の口調が強くなったのは戦線離脱した先輩の話題だ。前日20日の巨人戦で大阪桐蔭の先輩である西岡が左アキレス腱(けん)断裂の重傷を負った。孤独なマウンド。セカンドから聞こえてくる声に何度も救われた。だからこそ言葉には気持ちがこもる。

 「気を使って間を取ってもらうのはありがたいこと。自分の場合はハッパや厳しい言葉もかけられた。チームにとっても、自分にとってもマイナス。ただ、くよくよしていられないですし、西岡さんをカバーできるような投球をしたい」

 チームの借金は13までふくれ上がった。低空飛行を続ける金本阪神に吹く、さらなる逆風。負の連鎖を断ち切るのはこの男の快投しかない。真っ赤に染まったマツダスタジアムを黙らせる。【桝井聡】

 ▼藤浪は今季99奪三振。今日22日に三振を取り100奪三振以上となれば、入団1年目の13年以来4年連続となる。高卒ドラフト入団では、鈴木啓示(近鉄)13年、江夏豊(阪神-南海)10年、田中将大(楽天)7年、森安敏明(東映)4年に続き、5人目となる。