DeNA今永昇太投手(23)が、2年目で初めて2桁勝利を挙げた。初回こそ制球を乱したが2回以降は立ち直り、中日打線を7回6安打無失点に抑えた。チームの左腕で10勝は05年土肥(西武投手コーチ)以来で、生え抜きでは02年吉見(現打撃投手)以来15年ぶりの記録。これで後半戦は自身5連勝となり、2位阪神追撃の原動力だ。

 2年目の修正力が生きた。今永の立ち上がりは、先頭打者京田に3球連続ボール。「ちょっと違った緊張感があった」。安打を打たれた後、2番荒木を併殺打に打ち取ったが、3番大島にまた4球連続ボールで四球。「どうなることかと思った」が、4番ゲレーロは中飛で命拾いした。

 2回までのイニング間に立て直した。「嶺井さんと話して、ミットだけを見て投げた」。軸となる左足の重心が「目には見えないぐらいかもしれないけど」外側に流れていた点を修正。直球が威力を増し、変化球も切れを増した。「去年だったらリリースしか意識してなかったから直せなかったと思う」。プロでの経験と助言を生かした。

 今年4~5月、4試合白星から遠ざかった。「足を上げたら全部バラバラだった」とフォームが崩れ、常にクイックで投げるしかなかった。当時、木塚投手コーチからティー打撃を勧められた。投球の重心、体重移動を確認するためだ。「今までは体の中で、2本の軸で足を上げていたが、1本で意識するようになった」。ティー打撃は今も続け、この日に生きた。