巨人野上が前回登板の借りを返した。6日のDeNA戦は3回途中7失点KO。斎藤投手総合コーチから「飛ばしていけ。後はこっちが何とかする」と叱咤(しった)激励され、初回から全開で飛ばした。直球を主体に押し込み、アルモンテ、ビシエドと中日打線の要注意打者に仕事をさせなかった。

 疲労が見え始めた6回にピンチが訪れる。3連打で1点を失う。だがアルモンテを外角直球で三邪飛に打ち取り、四球で満塁としたが、最後は福田を二ゴロ併殺打で切り抜けた。6回5安打1失点にまとめて、エース菅野に並ぶ4勝目を挙げた。「初回から飛ばしてファウルを取れて、最少失点に抑えることはできた。追い込んでからヒットを打たれたのは反省です。ばてました」と、一仕事を終えた表情を浮かべた。

 注目を集めた中日松坂との投げ合い。「気にしすぎず、打者に集中していきたい」と平常心で臨み、冷静に任務を果たした。母の日は実家にカーネーションを贈った。09年5月10日のプロ初先発も母の日だった右腕は、この日は美しい花に白星も添えた。【広重竜太郎】