トヨタ自動車東日本(岩手・金ケ崎町)が日本製紙石巻(宮城・石巻市)を4-2で破り、7月13日開幕の本大会(東京ドーム)に初出場を決めた。エンゼルス大谷翔平投手(23)の兄でコーチ兼任の龍太外野手(30)は在籍7年目の最古参。部員13人でスタートし、廃校となった小学校の校庭で練習を開始した12年春から先頭に立って引っ張ってきた。1番左翼でフル出場。6度目の挑戦で予選を突破し、歓喜の涙を流した。

 父徹さん(56)がスタンドで息子の勇姿を見届けた。徹さんは黒沢尻工高を卒業後、25歳まで三菱重工横浜(現三菱日立パワーシステムズ)の外野手としてプレーしたが、都市対抗には出場できなかった。「僕が出られなかっただけにうれしい。うらやましい野球人生。僕は25歳で引退してしまったので、やれるだけ長くプレーしてほしい」と目を細めた。同時期に兄弟が活躍していることについては「翔平のメジャー挑戦と龍太の都市対抗出場が重なったのは偶然とはいえ、うれしいですね」とたたえた。