日本ハムが西武を5-3で退け、2連勝で5カードぶりの勝ち越しを決めた。2-2に追いついた直後の4回無死満塁から、西川遥輝外野手(27)が右翼フェンスを直撃する勝ち越し2点二塁打。得点圏打率3割6分9厘、満塁では8割3分3厘の勝負強さを発揮した。チームは5日ぶりに「貯金生活」に戻り、3位西武に0・5ゲーム差。4日の同カードに勝てば、約2週間ぶりに3位に浮上する。

   ◇   ◇   ◇

スタンドまで、わずかに届かなかった。2-2で迎えた4回無死満塁、勝ち越しの2点二塁打を放った日本ハム西川は、首をかしげ、悔しそうな表情を浮かべた。「角度は良かった。若干、詰まったかな」。お立ち台では「外野の頭を越えたのは分かったんですけど、あそこまで行ったら入って欲しかった」と、笑顔はナシ。いつもなら「僕はホームランバッターじゃないから」とクールに受け流すはずなのに、この日は、珍しく色気を出した。

カウント2ボール2ストライク。追い込まれてからの5球目だった。真ん中高めに入った142キロ直球を、見逃さなかった。西武十亀には、近年、苦しめられている。16年からの通算打率は1割4分3厘。「相性が良くなかったので、なんとか犠牲フライを打てればと。自分なりに対策はありました」。“マル秘”の攻略法で苦手を克服したが、あと少しで満塁弾だっただけに心残りも。「今年はあまり本塁打が出ていないので。本塁打を打てるに越したことはないし、欲しがってはいます」と苦笑いだ。

休養日の6月24日、東京都内の病院に入院中だった上沢を見舞った。「暇やろ、と思ってね」と冗談めかしたが、志半ばで戦線離脱した後輩を思いやる、優しさがある。この日、開幕から右中間を組んできた大田も、腰の張りで1軍登録を外れた。「(大田)泰示さんにしても、本人が一番悔しいと思う。この時期になったら、けが人が多くなってくるので、カバーしながらやっていけたら」。リードオフマンは、チームの思いを代弁した。

前日2日に泥沼の連敗を脱出。6月12日ぶりの2連勝で、5カードぶりの勝ち越しを決めた。再び貯金生活に戻り「6連敗したので、6連勝したいと思います」。ヒーローインタビューで、本拠地ファンにしっかりと誓った。【中島宙恵】