力強く拳を握った。オリックス先発の榊原翼投手(21)が、今季最長の7回103球で5安打1失点に抑え、今季初勝利を挙げた。

「前回ああいう結果(4回5四球3失点)だったんですけど、この1週間で監督、コーチや選手が『結果を気にするな』と。だいぶ楽になりました」

感情を表に出した。グラブをバシバシたたいた。猛ダッシュで一塁側ベンチに戻ると、バックを守るナインをお出迎え。気持ち全開の男は実は「考え過ぎる性格」だった。

「投げ方、もう、わかんないっすよ…」。宮崎春季キャンプは1軍発進したが「真っすぐがダメで…」と結果が残せず2軍落ち。リリース位置や投球フォームが固まらず苦労したが、自粛期間で取り戻した。

3回2死一、三塁では4番浅村を三ゴロに仕留め「そこを抑えられたのは本当にうれしかった」と納得の表情。直前には一塁のロドリゲスがマウンドに歩み「ダイジョウブ」と日本語で落ち着かせてくれた。

これで首位楽天に今カード3勝1分け。6連戦の勝ち越しを決め、再び最下位を脱出した。25日からは田嶋、山本で上位進出を狙う。「負けなしだったので流れを崩したらダメと。気持ちが入ってました」。暗い顔は似合わない。白星を積み重ね、チームに笑顔の連鎖を振りまく。【真柴健】

▽オリックス西村監督(榊原について) 前回と全然違うところを見せてくれた。しっかり調整してきてくれた。良い内容でね。