中止になった明治神宮大会代表決定戦の代替試合、北海道地区大学野球王座決定戦が12日、苫小牧・とましんスタジアムで行われた。北海道6大学リーグ優勝の苫小牧駒大と、札幌6大学リーグ優勝の星槎道都大が対戦し、3-3で引き分けた。最速155キロ右腕のドラフト上位候補、苫小牧駒大・伊藤大海(4年=駒大苫小牧)は5回5安打2失点。今季初めて打席にも立って二塁打を放ち、学生最後の試合を締めた。

投げて打って、飛んだ。本来の代表決定戦はDH制ではないため、伊藤は志願して「7番投手」で出場。“本職”では2、3回に1点ずつを失ったが、5回まで毎回の10奪三振。打席では9回に左翼フェンス直撃の二塁打を放った。降板後に就いていた左翼の守備でも、9回にダイビングキャッチを試みた。惜しくも届かず左中間を破られたが「投球は100点満点で5点。でもやりきった」と満足そうに話した。

ドラフト候補の星槎道都大・河村説人(4年=白樺学園)と初めて投げ合い、互いに10奪三振2失点。自身同様、大学に再入学した23歳の4年生投手から「自分と違い、淡々と投げているのにキレがある。いいボールを見た」と刺激を受けた。

26日のドラフト会議まで2週間。既に西武を除く11球団から調査書が届いている。鹿部町出身で、1位指名なら同町からは87年大洋(現DeNA)の盛田幸妃さん以来、道内の大学からは初めてとなる。「何位でもいい。小さな町に少しでもハッピーなニュースを届けられたら」。北の豪腕が、吉報を待つ。【永野高輔】