阪神が21日の巨人戦に勝てば、岡田彰布監督時代の07年以来、14年ぶりの9連勝になる。07年の阪神を振り返ると、ジェットコースターのようにアップダウンの激しいシーズンだった。

この年からメジャーに挑戦したエース井川慶の穴は大きく、4月末から9連敗するなど低空飛行が続いた。6月23日時点で借金7の4位、首位巨人に12ゲーム差をつけられた。だが、交流戦後の7月に入って巻き返し、貯金生活に突入。8月30日の広島戦から怒濤(どとう)の10連勝を飾り、9月9日には貯金6で巨人をかわして首位に立った。

12ゲーム差をひっくり返しての首位は、当時のセ・リーグ最大の逆転劇。10連勝の立役者は、守護神の藤川球児だった。僅差の試合の連続で、9回のマウンドは、来る日も来る日も藤川、藤川、藤川。うなりを上げる火の玉ストレートが打者を圧倒した。何と、2リーグ分立後ではセ・リーグタイの10試合連続登板。2勝7セーブを稼ぐ大車輪だった。「10連投でチームも10連勝」は1リーグ時代も含めてNPB初の快挙だった。

だが、残り21試合でマジック点灯も目前だったチームは、9月19日から8連敗と急降下。最終的には74勝66敗4分けの3位で、2年ぶり優勝はならなかった。この年から導入されたクライマックスシリーズでは中日に2連敗で終戦した。07年は上下動の激しいシーズンだったが、今季の阪神はどうか。注目の一戦は午後5時45分プレーボールだ。