ロッテ藤原恭大外野手(21)は仲間の弾道に見とれた。

6回無死二塁。日本ハム河野の直球をフルスイング。「ギリギリだったんですけど、入って良かったです」と右翼席への5号同点2ランを放った。

チームは4試合連続で2ケタ三振を喫していた。この日も日本ハム河野に5回まで3安打1得点のみ。5回裏には同い年の日本ハム野村に2点適時打を浴び、重くなりつつある空気を、ひと振りで切り裂いた。「1、2打席目に同じような内容でやられてましたし、昨日の試合と一緒のような悪い内容だったので」。直球に絞り、持ち味を出し切っての1発だった。

その7分半後だった。山口航輝外野手(21)が6号勝ち越し2ランを放った。バックスクリーン左へ豪快に放り込んだ。ベンチで戻ってきた山口と「ナイスバッティング!」とほめ合った。本塁打の数を話すことも多いという2人。7分後に、また離された。

「右打者であれだけ飛ばせる日本人選手は、プロ野球の現役選手でもなかなかいないと思いますし、本当に長打力は才能というか、普通の人にはできないようなものを持っているので、素晴らしいなと思います」 藤原が推定115メートル弾、山口は同125メートル弾だった。18年ドラフトの同期。大阪桐蔭で甲子園春夏連覇し、競合の末にドラフト1位でロッテに入団した藤原にとっても、山口のパワーは魅力に映ってきた。

「同級生として、ライバルでもありますし、仲間でもあります。刺激になりますし、逆転になる2ランだったので素直にうれしかったですね」

同期コンビで振りまくり、チームを押し上げていく。【金子真仁】