DeNAから自由契約となった勝又温史投手(21)が9日、横浜市内で契約交渉に臨み、新たに育成選手として契約を結んだ。投手から外野手への転向も発表した。年俸は現状維持の620万円。「ありがたいお話だった。戦力外通告を受けた後に球団の方から来季は育成契約と(外野転向の)お話を聞いて、親や携わっていただいた方に相談して決めました。正直な感想は(今年)3年目だったので、去年2年目の成績より少しいい数字を残せてたので、決めるのは迷った。やると決めたら切り替えてやるしかない。吹っ切れた」と話した。

勝又は18年ドラフト4位で日大鶴ケ丘(東京)からDeNAに入団。高校時代は最速152キロでエースを務めながらも、通算30本塁打と投打にセンスを発揮していた。既にフェニックスリーグでは左打ちの外野手として出場し、安打を量産していた。「3年間バットを握らずに不安でした。フェニックスリーグで投手の球を見られた。中距離を平均的に打てる打者になりたい」と理想像を描いた。

また同リーグの終盤、投手として登板する機会もあった。「外野をやった期間を挟んで、投げたらどうなるかを知りたくて、投げさせてもらった。あれが投手はもういいやと思えるきっかけになった」。未練が消えた。投打の二刀流は「ない」と否定。DeNAには投手から野手に転向して成功した、石井琢朗コーチがいる。球界には投手から外野手に転向した阪神糸井もいる。「成功例があるのは目標になる」。まずは支配下登録復帰を目指す。【斎藤直樹】(金額は推定)