DeNAが最先端技術を活用し、球団OBを中心に伝家の宝刀を集めた投手陣の「変化球バイブル」を作成する。

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第3クール中にはメジャーでも活躍した斎藤チーフ投手コーチがスライダーを撮影。通算172勝の三浦監督は「動作解析のためにね」と使い手の元祖とも言われるカットボールを動画に収めた。

ブルペンで投手の後方から撮影。リリースの瞬間の手首の角度や指の使い方などを映像に残した。選手は24時間、三浦監督のカットボールの映像を見ることが可能となる。変化球の感覚は独特と言われ、習得するのは困難だが、映像を通じ、一流の極意を学習。別の球種へのヒントにつながる可能性もある。

小谷コーチングアドバイザーの発案でプロジェクトが始まった。横浜、ヤクルト、巨人、ロッテでコーチ歴40年を超えるが、3年ぶりの復帰にあたって、令和版「指導論」を準備。「今の若い子たちはYouTubeなどの動画を見て、目から学ぶ」と時代の変化に着眼し、動画での教科書作成を提案した。

「小谷の指導論」を可能にしたのは、DeNAの球界屈指の技術力だった。今キャンプ中も「オプティトラック」でブルペンでの投球を動作解析。ハイスピードカメラ「エッジャートロニック」など最新機器をそろえ、データや映像で選手のレベルアップをサポートする。

小谷コーチングアドバイザーを通じ、球団OBで大リーグのマリナーズでも抑えを務めた「大魔神」佐々木主浩氏には「2階から落ちる」とも評されたフォークの撮影のオファーも検討する。“名伯楽”の指導と最新のIT機器を融合させる「DeNA流」で投手陣を育成する。【久保賢吾】