3年連続の最優秀中継ぎ獲得へ、最高のエネルギーをもらった。

ヤクルト清水昇投手(25)は、13日までの第3クールで古田敦也臨時コーチに2度、ブルペンで投球を受けてもらった。

2度目となった13日、「前回ダメだったので、リベンジをお願いします」と自ら頼んだ。5日に初めて受けてもらった際の投球に、納得いかなかったという。8日間でさらにコンディションを上げ、古田臨時コーチの指導最終日にもう1度チャレンジ。33球を投げ、終わったあとはグラブタッチを交わした。

古田臨時コーチは清水の安定性を高く評価。激励のメッセージを送った。ヤクルトの黄金期を扇の要として支え続けた名捕手からの言葉は、何よりのパワーとなる。

「今年1年、頑張れる勇気をもらいました」

清水は、笑顔で明かした。

まさに、充実したプロ4年目のキャンプを迎えている。テレビの取材で訪れた元西武の松坂大輔氏にスライダーを教えてもらい、元阪神の藤川球児氏には直球について訪ねた。古田臨時コーチの際もそうだが、すべて自分から聞きに行っている。

その姿勢の片りんは、プロ入りしたときから持っていた。今年のブルペンを見て、グローブ側の左腕が投げ終わりに大きく上がるフォームが気になった。質問すると「近藤一樹さんイズムです」という。

清水がドラフトでヤクルトに1位指名された18年のシーズンに8回を任され、活躍し最優秀中継ぎを受賞した近藤一樹投手(現四国IL・香川投手兼任コーチ)。マウンド上で舞うようなダイナミックな投球フォームで知られている。その理由を、清水は聞いていた。「中継ぎになってみて、近藤さんが言っていたことがすごく分かったんです。1球をいかに強く投げるか、と考えたらこうなります」。2人には、降板後にベンチ前で野手を待ち、ハイタッチをするという共通点もある。

自分から聞いて得たものがつながり、さらなる投球の成長になっているはず。根拠のある自信は、腕を振るパワーになる。【保坂恭子】