<日本ハム13-12ダイエー>◇04年9月20日◇札幌ドーム

球界再編問題によるストライキ明けのダイエー(現ソフトバンク)戦。BIGBOSSこと新庄剛志監督(50、当時の登録名はSHINJO)が球場を沸かせた。試合前のシートノックで森本、坪井らとともに「秘密戦隊ゴレンジャー」のマスクを着用しグラウンドに登場。“かぶりものパフォーマンス”で球界に大きな話題をばらまいた。

この日は1番中堅で先発。12-12で迎えた9回裏2死満塁で三瀬の初球143キロ直球を左翼席に運んだ。4回の22号ソロに続く満塁弾で劇的なサヨナラ勝利を呼び込んだ、はずだった。

一、二塁間で、一塁走者の田中幸と抱き合い、そのまま大はしゃぎでクルリと1回転。これが前の走者を追い越したと判断されアウトを宣告された。本塁打は幻となり記録はヒット。走者追い越しの前に三塁走者の奈良原が生還していたため、サヨナラ勝ちは成立した。球界史上初の珍事にもお立ち台では満員のスタンドを指さして「今日のヒーローは僕じゃありません。みんなです!」。“記録”と記憶に残る、まさに「新庄劇場」を披露した。